機構の動き

新ディレクター紹介(物質研究所)
ホウ化物グループ Boride Group

ディレクター
大谷 茂樹
Shigeki OTANI
OTANI.Shigeki@nims.go.jp



 ホウ素の骨格構造をもつ高融点ホウ化物を研究対象として、3000℃付近における良質な大型単結晶の育成技術を開発します。さらに、良質な単結晶試料を用いる利点を活かして物性評価を行い、新しい特性や現象の発見およびIII属窒化物半導体形成用基板などの材料開発を行います。

サファイヤ基板とZrB2基板を用いたGaN半導体素子の模式図
GaN semiconductor device on the sapphire and ZrB2 substrates
 GaNに格子定数や熱膨張のほぼ一致するZrB2基板上には、良質なGaN単結晶膜が成長します。ZrB2基板は金属的な電気伝導を示すので電極として使用でき、その結果素子の構造が簡単になり、製造プロセスが簡素化する利点もあります。また、基板の熱伝導性が大きいので大電力用素子の作製に適します。
ZrB2(0001)表面上のガス吸着状態の高分解能電子エネルギー損失スペクトル
High-resolution electron energy loss spectra for gas adsorption on ZrB2(0001).
 薄膜合成時の初期界面を解明、制御するために、ZrB2(0001)表面にガス吸着したときの状態を世界最高の分解能を持つ電子エネルギー損失分光装置を用いて調べました。水素、重水素、酸素は1本、一酸化炭素は2本の強い振動ピークが観測され、これらの分子が室温では表面上で分解されて孤立した原子となって吸着していることが明らかとなりました。





ソフト化学グループ Soft Chemistry Group

ディレクター
佐々木 高義
Takayoshi SASAKI
SASAKI.Takayoshi@nims.go.jp



 層状ホスト化合物の剥離ナノシート化とその再凝集反応、インターカレーション反応、イオン交換反応などのソフト化学合成手法を駆使して、コバルト酸化物、チタン酸化物などの合成、キャラクタリゼーション、機能性解明に関する研究を行っています。この技術を基盤として、機能性酸化物のナノオーダー形態制御、リチウムイオン電池用高性能電極材料、光触媒材料の開発を進めています。

ソフト化学合成の概念図
Conceptual explanation of soft-chemical synthesis
水溶液反応などの低温化学反応技術を組み合わせてセラミックス材料を合成するプロセスで、高温での熱処理を経由する通常の合成法では得られない特異な組成・構造・形態の材料を合成することができます。
酸化物ナノシート
Functional oxide nanosheets
厚さ約1nmの2次元結晶であり、層状酸化物を化学的処理により単層剥離して得られます。バルクには見られない特異な物性を示す他に、薄片状酸化チタンなどの機能性材料への出発物質としても活用することができます。




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