機構の動き

第1回NIMS国際コンファレンスを開催
− 光技術におけるマテリアルソリューション −

物質研究所
光学単結晶グループ
北村 健二



 平成15年3月17日から19日にかけて第1回NIMS国際コンファレンスを開催しました。本コンファレンスは国内外からの招聘研究者と、NIMS研究者および共同研究者が十分な情報交換を行い、今後の研究のあり方、方向性を探ることを目的としており、毎年分野を変えながら開催する予定です。
 今年度は、NIMSとして新たな成果をあげつつあるフォトニック材料の研究分野に的を絞って開催し、先端科学技術の鍵となる光技術産業への貢献に向けて、NIMSの材料研究のあり方について検討することを目指してきました。
 当日は、第II期科学技術基本計画で掲げる重点4分野(ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料)で、フォトニックスに関連した研究動向に関して4件の基調講演をいただきました。さらに、会議を5つのセッションに分け、各セッションのテーマごとに優れた成果をあげている研究者を国内外から招聘し、レビュー及び先端研究の話題提供をいただくとともに、NIMSからも研究状況の報告を行いました。また、各セッションにNIMS研究者からのポスター発表も募りました。
 今回は、基調講演4件(海外から招聘1件を含む)、招待講演39件(海外から招聘13件、NIMSから発表9件を含む)、ポスター発表43件を行い、参加者総数は153名でした。
 ポスター発表は、殆どがNIMS研究者および共同研究者によるものであり、その数からも本分野における関心度の高さや、NIMSの高いポテンシャルが示されました。また、NIMS内の異なるユニットに属する研究者間の連携が醸成され、大変有意義な会議であったことを確信しています。
各セッションの主なテーマ

セッションI:

酸化亜鉛を代表とする金属酸化物半導体、ダイヤモンドなどワイドギャップ半導体の発光デバイスへの応用に関する研究報告

セッションII:

強誘電体、特にLN/LTを用いたデバイスを中心に、分極反転構造による波長変換の原理や最新のデバイス、通信波長域での信号処理デバイスなどの実験例の紹介等

セッションIII:

コロイドのフォトニック結晶、特に液体中でコロイド粒子が自己配列して形成されるコロイド結晶からのアプローチを中心とした研究報告

セッションIV:

非線形ガラスと光ファイバー、特に金属ナノ結晶の高速共鳴応答や局所場による非線形増強効果、酸化物ナノ結晶の相変化による光透過率履歴応答などの研究報告

セッションV:

光技術の分野に関連するベンチャー企業の代表を招待し、起業の背景や問題点など様々な事例をもとにした報告

ポスター会場の様子

プロシーディングスの表紙




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