特集“ナノ物質・材料”その1 | |
超高周波デバイス材料 |
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ナノマテリアル研究所 |
高温超伝導体の結晶構造は、超伝導性を担うペロヴスカイト層(S=超伝導)とそこへ電荷を供給する層(I=絶縁体)とから なっています。このため、結晶構造そのものに超伝導ジョセフソン接合(SIS)が結晶周期1.5nmの素子要素として連続して繰り返しています。1.5μmの厚さの結晶であれば、1000個の素子要素が直列に、しかも結晶の並進対称性により周期的に整列しているものが得られます。このように多数の素子が厳密に整合している場合は、単一の素子と違って、素子要素の集団的挙動を利用した新しい応用が期待されます。高温超伝導体は、低次元性が強いために、特異な磁束状態を示すことが知られています。特に、SISの ジョセフソン接合が列をなす構造では、接合の面内に、即ち超伝導層の間に磁束が侵入した場合、磁束は層間に流す電流によりローレンツ力を受けて、面内で高速に運動します。さらに、これら磁束が集団運動し、それがジョセフソン・プラズマの伝搬速度と一致したとき、より周波数の高いテラヘルツ領域の超高周波の発振が起きることが理論的に予測されています。このように、高温超伝導体の結晶に内在するジョセフソン接合列は、超高周波デバイスに適用可能な、新現象・新機能発現の潜在力を秘めていて、高速・大容量通信への応用が期待されています。当グループでは、これらの研究に適用するビスマス系高温超伝導体の高品質薄膜やウィスカー(髭状単結晶)の合成を行ってきました。今後はさらに、これらの薄膜・結晶を微細加工して、超高周波デバイス応用に向けた、基盤研究を行っていきます。 |
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