圧延の場合,特に薄板において,組織は板厚方向に均一ではない(板表層部の粒径は板厚中央に比べて微細)ことは良く知られています。なぜか?
様々な文献にこう記されています。


ロールと鋼板の摩擦によって,付加的せん断ひずみが表層部に生じる。     スリットを入れて圧延してみると図のように傾きます。

表層部の相当ひずみが板厚中央部より大きくなる。

表層部の粒径が小さくなる。

しかし、圧延時にロールと鋼板が接触することにより表層部の温度が低下することも影響として考えられます。また,どれだけの付加的せん断ひずみが導入されたから相当ひずみが増加し,微細になったかについてはほとんど示されていません。     よって,結果的には微細になっていても何が主要要因かはっきりしていないのです。