せん断ひずみが0の領域を見てみます。相当ひずみが大きくなるにつれ,大角化(赤い領域)の領域が増加しているのがわかります(これはよく言われている結果です)。これらの結果を,せん断ひずみが1.0のときと比較してみます。相当ひずみが小さい0.68のとき,初期オーステナイト粒界のみが大角化しており,粒内は方位差15°未満の小角粒界です。しかし,相当ひずみ1.7になると,せん断ひずみの有無で大角化の割合はかなり異なります。この相違は,相当ひずみが大きくなるほど顕著です。すなわち,相当ひずみが同じであっても,せん断ひずみの有無で明らかに大角化の割合が異なることになります。