2007/12/27(木) はれ 入れ歯回収箱

最近、希少金属が高騰しています。盗難騒ぎまで起こる始末。
さて、今日のAsahi.comに載っていたニュースですが、最近自治体のリサイクルボックスに変り種がでてきたそうです。その名も【入れ歯回収ボックス】。入れ歯には、金、銀、パラジウムなど、金額が高騰している金属が使われていて、これを捨ててしまうのはもったいないという発想からNPOが設立、各自治体においているそうです。回収した入れ歯の収益金は、45%ずつを自治体、ユニセフに寄付、残り10%をNPOが事務費として使うとか。
今年6月からはじめたそうですが、すでに全国24の自治体に設置され、ユニセフに1300万円ほど寄付したそうです。つくば市は、あるのかな?(今調べたら、茨城県では五霞町役場だけのようです。)
もし、とれてしまったら、捨てたりせずに、回収ボックスに入れましょう!

早いもので、明日は仕事納めです。
また来年もよろしくお願いいたします。

2007/8/9(木) はれ ナノテク

半導体(ZnSe、CdSe,、CdTe、シリコン、ゲルマニウムなど)のナノ粒子は、量子サイズ効果により、粒子の大きさによって波長がことなる上に、輝度も高く、今後の色々な方面への応用が期待されているそうです。カドミウムは有害なので、シリコンなどが有望なのではないでしょうか。シリコンの場合、4nmでR, 2nmでG, 1.5nmでBなのだそうです。
蛍光灯は現在水銀が使われているので、廃棄するときには、つくば市は、公民館に持っていかなくてはなりません。これが結構面倒・・。早く実用化になって、水銀フリーの蛍光灯ができるといいですね。

それにしても、サイズを変えるだけで、1種類の材料が様々に発光波長を変えるなんて、すごいですね。物質・材料の世界は未知なことが多く、神秘的です。

2007/8/2(木) はれ リケン

新潟でまた地震がありました。今回は原発の直下に活断層が延びていたことが地震が起こってみてはじめて分かり、対応の甘さに批判が集中しています。

さて、リケンという聞きなれた会社名がニュースで流れました。でもみんなが知っているあのリケンではなく、新潟の一工場の名前でした。トヨタ、ホンダ、日産ディーゼル、マツダ、・・名だたる自動車メーカー12社が生産をストップせざるを得ないほどの、大きな影響力を持った部品メーカーが新潟にあったなんて、知りませんでした。

この工場はピストンリングやカムシャフトなどを作っているそうですが、各メーカーとも、車の開発段階からこのリケンに参加してもらうそうです。非常に硬い素材を設計どおりに削ることができるのは、この会社が一番だとか・・。テレビでインタビューされていた部品メーカーの人が、できれば、こんな発注は受けたくないというほどの難しい作業だそうです。中国、インドの追い上げが厳しく、大変な業界ですが、こういう技術があれば、大丈夫ですね。

それにしても、10ヶ月ぶりの更新でした・・。

2006/10/12(木) はれ 物性物理の今

ブルーバックスの「新しい物性物理」(伊達宗行著)を読みました。
最新の物性物理はSTMの登場、超強磁場、超極低温、超高圧など実験環境の著しい発展により、驚きの連続ともいうべき発見が相次ぎました。

100万気圧を超える超高圧を実現できるダイヤモンドアンビル。酸素は約90Kで液体、約54Kで固体になります。これをダイヤモンドアンビルで125万気圧、0.6Kにしたら・・・?なんと、酸素が超伝導金属となるそうです。鉄も超伝導となることがわかりました。
他に強磁場にオーステナイトをおくと、強磁場下では強磁性相が安定なので、マルテンサイトに変わるとか・・。
原子、分子はそれぞれお気に入りのフラーレンがあって、その中にとりこまれて、全く別の性質を見せるとか。

高校までに授業で習う元素の性質は、あくまでも基底状態での話。これらのことを考え合わせると、物性物理の世界は無限の広がりを持っているように思えます。
物質・材料の世界って本当に面白いですね!

2006/10/5(木)

あめ

オロチ・・。

東京モーターショーでミツオカがオロチ・ヌードトップを発表しました。今年末には販売になります。今後4年間で400台生産予定だとか。
エンジンはトヨタですが、それ以外はミツオカと関連会社製です。その独特なネーミングどおり、奇抜なデザインで、安定を第一信条とする大会社には絶対つくることができない個性的な車です。衝撃吸収装置はミツオカと花井製作所が共同で開発したクラッシュボックスというアルミ製の装置を採用。全て国産のスーパーカーです。
オロチのデザイナーがインタビューに答えていましたが、まだ若い人でした。自分の手で他にはない新しい車を作りたいという大きな夢を持った若い人たちが、こういう富山の大きいとはいえない個性的な会社に集まり、夢を実現していく姿を見るのは、本当に気持ちがいいことです。

さて、お時間がある方は、ぜひ、次のURLにアクセスして、オロチを見てください。前から見たところは、本当に大蛇・・。それも不敵に笑っている大蛇です。ちなみに、お値段は1000万ほど・・。フェラーリのスーパーカーに比べたら、格段に安いです・・。(オロチのために、500円玉をせっせと貯金箱に入れて貯めている秘書Sでした・・。)

http://www.mitsuoka-orochi.com/

2006/9/19(火) はれ サル?

講談社のブルーバックスで「他人を許せないサル」という本がでました。タイトルが面白いので買ってみました。
内容はひと言で言えば、最近のIT社会が人間に及ぼす影響・・といったところでしょうか。

今では誰も彼もが携帯電話を持っていて、電車の中での様子も様変わり。本を読む人より携帯をいじっている人の方が多くなってきました。(お化粧している若い女性も沢山いますね・・・。)
さて、携帯は実はフィンランドが一番普及しているそうです。しかし欧米人のメール数は、1ヶ月に20〜30通。ところが、日本の若い子は1日に数十通。日本の古来の文化で贈り物をしてもらったら返さないといけないという習慣がありますが、それが影響しているのではないか?とのこと。
メールを出してその返事がくるまで待つことに耐えられる時間は5時間と答えた人がもっとも多かったそうです。5時間を越えるとムカつくとか・・。メールが原因の犯罪も多発しています。
携帯を持っていない私には関係ない・・と思いましたが、ふと思えば、家にいるときも、しょっちゅうパソコンでメールをしている私。メールがあるために、どのくらいの時間を無駄にしているのだろう・・?と考えたら、自分の生活を見直さなくてはいけないなと思いました。

メールがあるために、家に帰ってからもつい仕事をしてしまう・・・そんな方は、ぜひパソコン、携帯の電源を切って、自分の時間を大切にしましょう!
秘書S・・・反省・・。

2006/9/14(木) 雨のちくもり 基礎科学

先日図書館で各大学、研究機関で行われている最新の研究についての本を借りました。本の中身は、現在開発中の研究内容で、実際にはまだ発展途上にある段階なので、読んでいてもそれほど感動がなく、つまらないので、一応一通り目を通しただけで返してしまいました。この本で一番面白かったのは、ノーベル賞科学者、小柴さんの冒頭の文です。

彼は、今日本の科学教育の現状をとても心配しています。
日本政府は技術立国を目指し、ナノテクとバイオに力を入れています。基礎科学には予算もつかず、研究者たちは四苦八苦しています。小泉首相の口癖ではありませんが、

「基礎科学の発展なくして技術革新なし!」

小柴さんによると、現在の科学技術の発展の土台である電子の発見も、基礎科学だとのこと。確かにそうです。
小柴さんは最近科学教育のための財団を立ち上げました。国民に一人当たり1年に1円寄付してもらって、子供たちの科学教育に役立てたいとのこと。財団から寄付された実験道具で科学の楽しさを知った子供たち・・・、その中から基礎科学を目指す科学者が育つといいですね!

2006/8/14(月) はれ バイオアルコール

中東情勢の影響やら中国などによる消費量増大によって原油価格がはねあがっています。このお盆帰省中、ガソリン価格は気になるところです。価格がぐっと上がった直後、中央高速を走ったら、どこも137円/lで、やっすーーい!と驚きました。高速道路はその前の価格で契約するとのことで、今月いっぱいはこの値段だそうです。だから高速道路のガソリンスタンドは渋滞だそうです。

さて、ブラジルではすでにサトウキビを使ったバイオアルコールをガソリンの代わりに使っています。大消費国アメリカも穀物を使ったバイオアルコールを混ぜて使用するようになっています。日本も原油依存の体質を変えるため、バイオアルコールを使う方向だそうですが、車のパイプの腐食が進む可能性も指摘されていて、まだ本格的ではないようです。でも沖縄ではすでにサトウキビの増産体制に入っているそうで、不況に悩む沖縄の起爆剤となるといいと思います。環境にも優しければ一石二鳥。

2006/7/31(月) はれ NIMSの中で

先日、NHKで「テクノクライシス」という特集で、航空機のタービンブレードの破壊について特集していました。
このタービンブレード、エンジン内の高温という過酷な状況で使われるため、特殊な耐熱超合金でできています。しかしこの製作はブラックボックスの中。あいつぐタービンブレードの破壊によるエンジン停止。事故も多く、航空機会社は膨大な金額を投資してのタービンブレードの交換を余儀なくされています。なにしろそのタービンブレード、1枚4cm×15cmくらいのものなのに、なんと70万円。ANAでは100億くらいかかるらしいです。この特殊超合金、軍事用に転用されると困るとのことで、アメリカは国家機密にしており、日本で作るというわけにいきません。どうにかならないのかと思っていたら、番組の最後に、我が(独)物質・材料研究機構が出てきたじゃありませんか!
ロールスロイス航空宇宙材料センターがNIMS内に開設され、NIMSの超耐熱材料センターとともに、ガスタービン内の最高温部で使用される超耐熱合金の開発を行うそうです。ブラックボックス技術に命を託す訳にはいきません。「材料開発成功!!」のニュースを心から願っております。

2006/5/23(火) くもり 光の魔術師

週末にNHKでやっていた番組を見て、世の中には本当に様々なプロフェッショナルがいるものだと関心しました。

内原智史----平等院鳳凰堂のライトアップをはじめ、六本木のクリスマスイルミネーションなど色々なライトアップを手がけている人です。
彼のライトアップは、「建物を照らすのではなく、その本質を照らす」のだそうです。確かに作品を見るとそれがわかります。
さて、その彼、色々な仕事を手がけて35才で独立。独立後は仕事がなく1週間の食費を3000円ですませることもあったそうです。
しかし、その暇な時期にこそ考える時間がもて、大きな仕事に結びつく大きな考えを思いついたそうです。だいたい、ニュートンにしてもダーウィンにしても、偉大な法則を思いついたのは暇だったときだとか・・。大きな仕事をするためには忙しすぎてはいけないそうです。そして、冷静な判断をしつつも熱くなれとのこと。
プロフェッショナルは
「誰もが描き続けられないことを描き続けることができる人」のことだそうです。・・・・フム・・。

2006/5/18(木) くもり 特許認可第1号!
たくさん、たくさん、いのさんが提出している特許。やっと第1号が認可されました。
手にした特許証は、真ん中に菊のご紋、両脇上に鳳凰、下には竹と桐という図柄で、なかなか立派なものです。
いのさん、おめでとう!

青色発光ダイオードで色々話題となった特許の問題。結局中村氏は請求額の1/100の額で和解したと思います。和解といっても事実上敗訴のようで、悔しそうな表情でインタビューに応じていたのが印象的でした。中村氏のおかげもあって、日本でも知的財産権がクローズアップされ、企業でも発明者の対価を見直す動きがあるようです。(それまでは1万円程度の報奨金とかいうのもあったようで、ちょっとびっくり・・。)
NIMSにおいても、連携室(旧 知的財産室)があって、研究所全体の知的財産に関する業務を一手に引き受けています。そういう部門がないと、一介の研究者では、ちょっとできそうにないくらいの複雑な手続き。もう少し簡素化されるといいのですが・・・。
2006/5/17(水) くもり サッカーの日本代表のメンバー発表

サッカー、ワールドカップの日本代表メンバーが昨日発表されました。前回は中村が代表からはずされてびっくりしましたが、あれからもう4年もたったなんて信じられませんね。今回残念ながら落選した久保選手、これをバネにしていっそう頑張ってほしいです。

さて、【好きこそものの上手なれ】とかいう諺がありますが、
脳の中で物の好き嫌いなど感情にかかわるのは【扁桃体】、記憶の製造工場であり、何を記憶するか選別する(目や耳に入る全ての情報を記憶したら大変ですからね!)のが【海馬】。この二つは隣り合っていて、密接に情報を交換し合っています。だから、好きなことは簡単に覚えられて嫌いなことはなかなか覚えられないというのは、理にかなったことなのだそうです。受験勉強というと嫌いな学科も勉強しなくてはならなくて、つらいものですが、なんとかうまく脳をだませれば、覚えられるようになる・・。脳というのは意外とだまされやすい・・というか、自分の都合がいいように解釈して、それを真実だと勘違いするくせがあるのだそうです。
また脳の中で海馬だけが神経細胞を増やすことができる部位です。そもそも数ヶ月で入れ替わるのだそうです。刺激的な環境に身を置いた方が海馬は発達するそうですよ。それに、寝ている間に海馬はせっせと情報を整理し検証するのだそうです。睡眠は記憶にとって重要なプロセスです。
要するに、 週末は思いっきり遊んで気分転換をし、食事に朝鮮人参をとりいれ(これは記憶力を増すのだそうで)、夜は十分に睡眠をとるのがいいようです。秘書S、慢性的な睡眠不足のせいで、覚えが悪いのかなぁ・・?

脳は心臓と同じで24時間働きっぱなしでも、いつも元気いっぱい。仕事しすぎて疲れるのは目だそうです。さて、午後の仕事、はじめるかな・・。

2006/4/13(木) くもり いのさん、今日も出張

この1週間というもの、嵐のような日々でした・・。いのさん出張で、ちょっと静かになりました。

先日新聞を読んでいて、びっくりしたことがひとつ・・。

鳥葬ってご存知ですか?チベットの奥地で昔から行われている葬儀のひとつです。遺体を解体して鳥に食べさせるのです。自然の理にかなっているといえば、確かにそうなのですが、最近鳥が人間の遺体を食べなくなったというのです。チベットの奥地にも西洋の薬が浸透し、病気になると薬漬けになるからだそうな・・・・。鳥も食べない人間の体って、なんだか恐ろしいですね・・・。ちょっとぞっとして、印象に残ったので、書いてみました・・。お食事中の方、ごめんなさい。

2006/3/29(水) はれ 風強し!

春眠暁を覚えず・・・などというと、なんだか高尚な感じがしますが、実際は花粉症の薬で眠くなる春です。でも今年は殆ど飛んでいないようで、薬も例年の半分、随分と楽です。

さてこの眠くなるというのは当然脳がつかさどっていると思われます。しかも脳の中枢部が・・。ところが睡眠をつかさどるホルモンは、なんと硬膜の部分が生産しているとか。脳をお饅頭に例えると、硬膜が「皮」、脳実質が「あんこ」。このお饅頭の皮の部分で作られたホルモン(睡眠誘導物質)が硬膜の下の脳脊髄液によって前脳の基底部に運ばれ、 そこから信号が発せられ、最終的に脳の睡眠中枢が刺激されて眠くなるのだそうです。あんこが眠る脳なら、皮は眠らせる脳だとか。(本日付の日経新聞、早石修著)

要するにお饅頭の皮で作られた睡眠誘導物質があんこを動かしている・・・?お饅頭の味はあんこで決まる気がするけれど、皮も大事なんですねぇ。

今週末あたり、桜が満開になりそうです。桜の下で、お饅頭を食べながら、しばし脳のことは忘れて、お茶するのもいいかな。
最近、脳に関する本を読みふけっている秘書Sでした・・。


2006/3/27(月) はれ 東京では桜の下で宴会、つくばはまだまだ。

昨日目黒に行ってきましたが川の両サイドの桜並木は満開とまでは行かないまでも、6分咲きくらいで、並木の下にはお花見客がいっぱいでした。
さて、今読んでいる池谷裕二と糸井重里の対談集「海馬」。冒頭に次のように書いてあります。

いろいろな場面で表現される「人の思い」は、頭の働きの結果です。それは、すべて脳から生まれています。しかも、ほとんど全ての人間の脳の力は、2%しか使われていないのです。頭をよくすることは、よく生きることにつながっているはず。「よりよく生きたい」という望みが、「より頭をよくしたい」という思いを生むのです

この本の中で大脳皮質のどこで、体のどこをつかさどっているかを表わした「ホムンクルス」という図があります。人間の格好をしていますが、口と手先が異常に大きいのです。これを見ると、いかに手や口を動かすことが重要であるかがわかります。
最近座りっぱなしでパソコンばかりいじっている秘書S、指先だけは確かに動かしているけれど、物を生産していない・・。だいたい指を動かすと言っても殆ど無意識の状態。これじゃあ、脳は退化するばかり。少し外にでて体を動かす仕事をした方がいいかな?人間、心身ともにリフレッシュが大事です。

2005/5/27(金) はれ いのさん、今日も塑性加工学会参加中

今朝のNHKのニュースでやっていたのですが、
原子力研究所のある研究者が草津町と共同で開発したポリエチレンの不織布(放射線を当てて作るらしい)。これを草津の温泉にちょっと浸すとみるみるうちに茶色になり、これを酸に浸すとバナジウムが分離できるのです。バナジウムを添加すると耐熱性が強くなるそうで、航空機やロケットの機体の材料にも使われているそうです。バナジウムのほか金やスカンジウム、ヒ素・・・も。いわゆる希少金属と呼ばれていて価値が高いものですが、これがうまくいけば、草津町では年間2億円の収入を見込めるとか。
日本は酸性の温泉が多いので草津以外でも期待できるそうです。

温泉が好きであちこちの温泉をまわっている秘書Sとしては、希少金属を抜かれてしまった温泉にはつかりたくないなぁ・・・・?

2005/3/29(火) はれ お天気はいいけれど・・、風がすごい!

今年はスギ花粉が猛烈な勢いで飛んでいます。研究所の中でもマスクにゴーグル、帽子といった一風変わった格好で歩いている人を見かけます。
今日は風がものすごく強いので、この風に乗って、遠くの山から大量に飛んできてると思います。

さて、いつものようにプロジェクトXの話になってしまいますが、昨夜の番組は、
千年の秘技・たたら製鉄 復活への炎】 でした。
弥生時代にはじまった、日本独特の製鉄法で、土で作り上げた炉(炉といっても風呂桶状のもの)の中で3日3晩寝ずに砂鉄と木炭を燃やし続けるのです。それも1000回も砂鉄を炉にくべます。成功すると炎の色がオレンジから黄色へと変わり、純鉄が染み出す音が聞こえます。そうして作り出される鉄は、99%という信じられないくらいの純度を持ち、日本刀の鋭い切れ味を生み出すのでした。このたたら製鉄は、高炉を使う製鉄が主流になってからは、消えてしまった技術だったのですが、必要に迫られ復活させるプロジェクトがはじまったのでした。
弥生時代にたたらで作られた鉄が純度99%というのは、本当に驚きです。日本刀をはじめ、神社仏閣の釘やかすがいは、これを更にたたいてたたいて超鉄鋼の状態にしたものなので、いつまでも強靭で何百年、何千年と長持ちするのですね。

物質・材料研究機構(千現)の超鉄鋼展示コーナーに室生寺に使われていた釘が展示されています。機会がありましたら、ぜひご覧になってください。

2004/4/15(木) はれ さわやかなお天気です。Inoさんは上海に・・。
なんと最後のコメントが9月。7ヶ月もご無沙汰でした。
今年はスギ花粉が殆ど飛ばなくてとっても快適な春でした。いつもこうだといいなぁ・・。

さて、最近鉄スクラップの値段が高騰しています。30%高だそうです。中国の北京オリンピック開催に向けて急ピッチに進む都市化の影響のようです。
最近秘書Sの家の近くで、道路脇の排水溝にかかっていた頑丈な鉄製の蓋が大量に盗まれました。こんなもの、どうするのかと思っていましたが、なるほど、鉄が高騰しているからなんですね。なんか殺伐としてきましたよね。そのまま中国に行くのかなぁ?どうせなら鉄リサイクルで超鉄鋼に変身させてから持っていったほうが・・・。

先日いのさんがドイツに行ったときの写真とコメントをアップしました。ぜひご覧になってくださいね。

現在3人の日本人ボランティアがイラクで拘束されています。中には高校を卒業したばかりの高校生も・・。早く解放されることを祈っています。
2003/9/17(水) はれ 今日も暑い。でもさわやか。
夏休みの間中、涼しかったのに、9月になったとたんに暑くなりました。でも乾燥していて、さわやかなお天気ですね。こんな日は、木陰で本など読んだら天国だ!

今月いっぱいで機構を去るT氏の歓送会が先週の金曜、盛大に行われました。
今回は韓国、中国、ロシアと多彩な国々からの研究者、研究補助者たちが腕を振るって、お国自慢のお料理を作ってくれました。どれをとっても、とってもおいしくて、楽しいひとときでした。

Tさん、機構の仲間たちはいつでも腕を広げて歓迎します。
こちらにいらしたときは、必ず寄ってくださいね。

さて、好評のTさんのHPももうすぐ閉鎖です。
見てない方は、ぜひご覧になってください。
http://www.nims.go.jp/millennium/member/b-home%20page/Main_Page.html
2003/8/8(金) はれ のち くもり 台風が近づいています。
1914年、シャクルトンは、南極大陸横断への挑戦で厚い氷壁に閉じ込められ身動きが取れなくなったエンデゥランス号から全隊員を無事生還させ、かつ南極大陸横断にも成功しました。彼は、最も強いリーダーとして、今でもビジネス界ではお手本とされるそうです。
南極点到達をあきらめた白瀬中尉と比較して、日本の現状を脱するには、白瀬中尉ではなくシャクルトンのようなリーダーが必要だと、ある経営者は主張しています。
そのシャクルトンから学んだ最強リーダーの極意

その1: 大胆な方針転換をためらうな。
その2: 反乱分子をとりこめ。(不平不満を放置しない)
その3: 進んでリスクをとる。
その4: 決してあきらめない

だそうです。参考になると思ったのでここに書き留めます。(昨夜の某番組より)
2003/8/4(月) はれ 時々 くもり やっと梅雨が明けました。
さて、昨日の日経新聞にJFEスチールがアーク溶接とレーザー溶接を同時に使う"ハイブリッド溶接法"を開発、鋼板の溶接時間を半分に短縮することに成功したと出ていました。時間を短縮するのみならず、レーザーによって加熱部分が限定されるので、熱による鋼板の組成変化が少ないそうです。
超微細粒は実は熱に弱く、溶接で溶かせば元に戻ってしまうそうですが、この技術は超鉄鋼にとっても一歩前進といったところでしょうか。
さて、Inoさんは、明日からまた出張。機械学会で講演及び発表します。
2003/7/30(水) あめ のち くもり Inoさん、出張中。
Inoさんは、長期出張中。いなくても秘書Sと実験助手Mさんは、忙しい・・・。いない間の仕事もどっさり。
Inoさん、どうしてこんなに仕事があるんでしょう???これ、研究者一人でやってたら、家庭崩壊ものだ・・。

さて、またまたプロジェクトXの話。昨日はシャープの液晶の話でした。電卓に使われるようになるまでの苦労話。

今でこそ、500円で電卓が買えますが、秘書Sが学生だった頃は、すごく高価でした。おまけに、電池がすぐになくなってしまって、電池代も馬鹿にならなかったのです。私などは、電卓がある人を横目で見ながら、ひたすら手で実験データを計算してました。それが液晶が使われるようになって、電池が長持ちするようになったのですが、その開発には大変な苦労があったようです。成果が上がってないと判断されて、一度はプロジェクトが消滅し、メンバーは左遷。背水の陣で立ち上がった新しいプロジェクトでも、製品が出来上がってもなお、会社側は使い物にならないと見ていたようです。液晶の研究責任者は、もし会社が認めなかったら、その借金を自分で負う覚悟で、液晶の生産設備を独断で発注。そして、今日の電卓へとつながったのでした。

先週は、SONYのアイボでした。これも会社の幹部たちは、見向きもしなかったそうです。(故 井深大を除いて)

成功へとつながる研究の共通点は?
研究者の情熱でしょうか。みんな口をそろえて、好きで好きで・・と言います。今回も、「液晶が好きでたまらない」と言ってました。(秘書Sの独り言・・私は液晶よりケーキの方が好き・・。)
「好きこそものの上手なれ」とかいう諺がありますが、本当にそうですね。

で、超鉄鋼研究センターの軍団も鉄が大好きなメンバーの集まりです。成果を期待してくださいね!
2003/7/7(月) あめ 七夕なのに・・・。
今日は七夕。
琴座のベガとわし座のアルタイルなんていうとロマンがないから、やっぱり織姫と彦星ですね。
この二つの星は天の川により、普段はあえないのですね。それが七夕の夜だけ会うことができる・・。子供の頃は七夕飾りを作って、晴れますようにと願ったものですが。
でも、最近では天の川なんて、よっぽど空気がきれいなところに行かないと見ることはできません。見たことがある人は少ないのでは?
都会の空でも見ることができる星、ベガ、アルタイル、デネブ(白鳥座)で作られる夏の大三角形、今日はだめですが、お天気がいい日にぜひ、空を見上げてみてください。すぐにわかります。

このHPの英語版の方のReseachに少しずつですが、Inoさんの研究を載せています。
こちらの方もご覧になってくださいね!
2003/6/16(月) くもり 今日もはっきりしないお天気
昨日、お台場の大江戸温泉物語に行って来ました。
お風呂に入って江戸時代の町並の中でビールを飲んでいる人たちを見ると、日本人だなぁって思います。
お台場というのは、戦争末期に連合軍が東京湾から上陸するのを阻止するため、大砲を組む場所として作ったそうです。だから、お台場というのですって。初めて知りました。4箇所作ったらしいですが、使わないうちに終戦となったそうです。

先日公園で一人のお年寄りとお話して、あまりにも姿勢がいいので、そう言ったら、海軍で散々殴られたからだとおっしゃっていました。終戦間際、やはり上陸を阻止するために、二人で組んで、一人は海に潜り、槍で敵の戦艦を刺す、もう一人は槍を持って海の中で待機している人に、ポンプで空気を送ったのだそうです。(ボンベなんてなかったそうですよ)その人は、体が小さいので、ポンプで空気を送る方だったそうですが、その話を聞いただけでも、いかに無謀な戦争だったかがわかります。

他にも色々な話を聞きました。本も色々出ていますが、実際に体験した人の話を聞くのとは違います。
また、別の機会に、もっとお話を聞きたいと、思っています。
2003/6/11(水) くもり 関東も梅雨入り
昨夜のプロジェクトX、ご覧になりましたか?
阪神大震災で止まってしまった神戸製鋼の高炉を復旧させるために大変な苦労があったのですね。
高炉の中の溶けた鉄をパワーショベルでかきだした若い男性。日本中の解体業者は逃げ出したそうです。そりゃあそうですよね。まるで巨大な火山が噴火して出てきた溶岩のようで、毒ガスが噴出す恐れもあり、重機の燃料に引火する恐れもあり、高炉の中を見ただけで逃げ出すのは当たり前です。
他にも、3ヶ月以内に復旧させるために、家庭を二の次にして高炉にかけつけ、頑張った人たち。高炉の復旧=会社の復旧=家庭の復旧だったんですね。神戸製鋼の人たちのみでなく、それ以前はライバルだった他の製鉄所も水をタンカーで運んだり、クレーンを譲ってくれたり、協力を惜しまなかったそうです。
いつもながら、感動をよぶ番組でした。
ちょっと鉄鋼業界に親しみを感じた秘書Sでした。
2003/6/5(木) はれ 今日は久しぶりのいいお天気!
秘書S、昨日お休みをもらって、お台場の船の科学館に展示されている"北朝鮮の工作船"を見てきました。
海上保安庁の巡視船との銃撃戦で、船体に沢山穴が開いてましたが、その船の鋼板の薄いこと!高速で逃げるためにできるだけ軽くしようと、あれだけ薄くしたのでしょうが、死んだ乗組員が哀れになりました。船の殆どが、格納庫となっていて、小型船が入るようになっています。その小型船だって、結構大きいのだから、乗組員たちがいる場所なんてごく狭い空間だけ。拉致被害者たちは袋をかぶせられて、ここに入れられたのかと思うと、どんなにか心細かったことかと思います。一緒に引き上げられた武器や通信機器、水中スクーターなど、色々展示されています。その後の調査で、この船は麻薬の密輸をしていたことがわかっています。国家ぐるみの犯罪。それに加担している日本人も沢山いるということです。(麻薬を乱用するなどして)

さて、物質・材料研究機構で初めてのベンチャー・ビジネスが立ち上がったとか、昨日の新聞に出ていました。
今、資本金1円で株式会社も作れるそうです。以前は1000万円の資金がないと(少なくとも立ち上げるときに見せ金としてそろえないと)できなかったのですが。ビジネスを始めようとする人には、今はチャンスです。超鉄鋼研究センターもどうかな・・・?
2003/6/2(月) はれ Inoさん、今日から3日間出張
当機構の超鉄鋼研究センターと大阪精工が超微細粒鋼の線材コイルを量産化することに成功しました。
従来の2倍の強度を持つため、焼入れ、焼き戻しをする必要がありません。生産工程を省略することによって、環境負荷も軽減できます。ミレニアムプロジェクトが少しずつ身を結び、目に見える成果となって現れて来ました。
超鉄鋼研究センターの今後にご期待ください!
長井センター長をはじめ研究員一同、一丸となって頑張っています。
2003/5/30(金) はれ 風邪が流行ってます
今SARSが台湾、中国で流行っています。一旦収束したかに見えたトロントでも再び流行の兆しが。
まるで映画"ペスト"の筋書き通りに全てが進んでいるように見えます。21世紀最初の重大な感染症と言われているSARSの対策を練るために集まったWHOの会議に台湾が出ることを、中国が大反対しました。(見ましたか?会議での中国の猛反対の演説!それはそれはすごかったです!)もとはといえば、発生に初期に中国が隠蔽しなければ、これほどの被害はなかったと思われるのに・・です。人の命がかかっているのにと腹立たしく思うのは、秘書Sだけではないはず。

さて、SALAM PAXってご存知ですか?今ネットで話題になっているそうです。イラクのバグダッドに在住で、年齢は20代後半、男性、英語に堪能、おそらくヨーロッパに住んでいたことがあるのではないか、と言われています。

アメリカのイラク攻撃が始まる前からフセイン政権の批判、アメリカに対する批判、バグダッドの市民の様子など、一般市民の立場から、日記形式で書いています。アメリカの攻撃が始まる前夜の様子など、報道ではわからなかったことなども、攻撃を受ける立場から書かれていて、鬼気迫るものがあります。

それがしばらく途絶えていて、もしや誤爆の犠牲者の中に入ってしまったかと心配していましたが、最近になって復活しました。電力事情などもよくなってきたのでしょう。これからも、しばらくは様子を見ていきたいと思っています。
興味がある方は、ご覧になってください。SALAM PAXで検索すると見つかると思います。
2003/5/19(月) あめ 今日は7thWSの原稿締切日
先日の夕方のニュースでこんな話題がありました。

新しい14番目のビタミンPQQ(ピロロキノリンキノン)が見つかったと言うのです。それも、脳科学の研究者が遺伝子の研究をしていて、大発見と思ったら、見当違いでがっかりし、落ち込んだそうなんです。みかねた上司が、落ち込んでないで、それでちょっと論文でも書いたらどうだと慰めました。そして、気乗りしないながらも書いたそうなんですね。
そうしたら、それはビタミンの研究者が最近血眼になって探していた14番目のビタミンだったというのです。
その研究者の名前は笠原さん。テレビに出演していましたが、それまでPQQなんて聞いたこともなかったのに、それからの2週間猛勉強をしたそうです。まったく畑違いのことで、ちんぷんかんぷん。それがある時、パーっと一度に全部つながって、目の前が明るくなったそうです。
わからなくても、あきらめずに読む。それがいつか自分のものになる時が来るということでしょうか。
超鉄鋼の論文、ちんぷんかんぷんでも読んでいればいつかパーっとつながる時がくるのでしょうか?でも、基礎があってのことなんだろうなぁ・・・。土台がなくては、積み木も重ねられないか・・・。

そうそう、PQQ(多分ビタミンB13と命名される)が不足すると、お肌ががさがさになるそうですぞ。ご用心!
2003/4/28(月) はれ 今日はお休みが多く、静か・・。
先日テレビで、"最近、主婦たちの間でカルチャースクールがブームだ。"と言ってました。
学芸大学の社会学の助教授の分析によると、
どんなに家事をやっても認めてもらえない。そこで何かで自分を認めてもらいたい、褒めてもらいたいと言う欲求からカルチャースクールに通うのだそうです。
世の男性諸氏、奥様方の家事労働に感謝していますか?感謝していても言葉に表すことがないのでは?それではだめですぞ!どんなに疲れていても、やさしいひと言で、疲れが吹き飛ぶなんてこともあります。
それは、家庭だけでなく仕事場でも同じです。(別にInoさんに言ってるわけではありません。誤解なきよう・・・。)

センターやグループ秘書の方々の仕事振りを見るにつけ、ここで働いている女性たちはすごい!と感心しています。
研究者のみなさん、たまには優しいひと言をかけてあげて下さいね。

私事ですが・・・・、2日間で17本のビオラ(花)が盗まれました。昨年の9月に種を蒔いて、やっと咲いた花なのに。悲しいです。
2003/4/22(火) はれ SRC Annual Report 2002 ができました。
SRC(超鉄鋼研究センター)の年次報告書、"SRC Annual Report 2002"が、できあがりました。今までと一番違うところは、A4版からA5版になったということでしょうか。どこかに出かけるときも気軽にバッグの中へ、というサイズです。各グループ、或いはSRCの談話室などに置いてありますので、ぜひご覧になってください。

ところで、私事ですが、子供の大学でたたら製鉄の実演があったそうです。おもしろそうですよね。
来年の公開日には、ぜひ"たたら製鉄"をしてみてはいかがでしょうか?私も一度見てみたい・・・。
2003/4/21(月) きりさめ Inoさんは、一日中打合せだらけ。
10年ほど前、トロンというOSがすごく話題になりました。NHKでも特集をしていましたし、家にもトロンの本がありました。それが、いつの間にか消えてしまい、何もなかったかのようになっていました。最近になってトロンが使われているといううわさを耳にして、"へぇー。まだ生きてたんだ"と意外に思ったところでした。
それが、先週のプロジェクトXを見て、その謎が解けました。

当時マイクロソフトはMS-DOSの世界で、誰もが使えるパソコンではありませんでした。そこで、もっと簡単なOSをと東大の坂村教授(当時、助手)が開発したのでした。それは今のパソコンと同じ様なもので、誰でも使えるすばらしいものでした。しかも、中身を公開していたので、世界中から注目を集めたのです。
しかし、そこに立ちはだかったのが、アメリカのスーパー301条です。OSの市場を奪われたら一大事と、理不尽な理屈をつけて、トロンを使ったものには制裁を課すと宣言。そして、トロン・プロジェクトに集まっていた世界中の会社が撤退を余儀なくされたのでした。その結果に満足したアメリカは、スーパー301条から、トロンをはずしました。そして、現在のマイクロソフトの独占へとつながったのです。

ところが、当時集まっていた技術者たちの中に、根性のある人たちがいたんですね。ひそかに坂村教授のもとに集まり開発を続けました。そして今では、車から家電、携帯に至るまでトロンが使われているというのです。知らぬ間に、トロンだらけだったんです。トロンはWindowsと違って、使ってもお金を取りません。誰でも使える無料のOSです。しかも軽くてかつ優れている。使わない手はありません。
番組で、最後に坂村教授とNECの研究者が出演しましたが、二人の目に涙が浮かんだときには、関係者が歩んできた道の険しさが想像でき、見ていた私も、じーんときました。

それにしても、今も昔も日本政府は、日本人の権利を守ろうとしない。外務省も通産省(当時の)も、いったい何をしていたんだか!
一人一人の官僚は一生懸命仕事をしているのかもしれませんが、外からはその努力の片鱗は見えませんね。もっと説明する必要があると思います。
2003/4/16(木) くもり時々はれ 本日は公開日
今日は、学園都市の各研究所の公開日でした。
秘書Sが、組織制御棟の展示コーナーに立っていたのは10時半から12時半でしたが、とても盛況でした。
展示コーナーはいつでも入れますので、ぜひご覧下さい。

昨夜、新宿のオペラシティに行ってきましたが、あそこのコンサートホール、新しいのに座席のスペースが狭く、2時間半のコンサートの間、エコノミークラス症候群になるのではないかと心配でした。もうちょっとゆとりが欲しいですよねぇ。
2003/4/15(水) くもり Inoさん、"俺の見えないスウィングで、腰がだめになった"そうですよ・・・。
木は何千年も風雪に耐えて立ち続けています。なぜ木はこんなに強いのでしょうか?
そもそも、木はリグニン、ヘミセルロース、セルロースからできています。このセルロースは、さらにミクロフィブリルという小繊維の集まりです。この並び方に強さの秘密があるんですね。
木の細胞壁の内側は4層くらいになっていて、それが全てミクロフィブリルの並び方が違っているんです。("生物の超技術"より)

このような構造は、実は最先端の軽くて強い複合材料の基本構造と全く同じです。多層複合材料といって、あらゆる方向からの応力に耐えるんです。スペースシャトル、自動車のボディから釣竿に至るまで、そこらじゅうで使われています。

まさに、生き物の知恵ですね。

秘書S、今夜は新宿のオペラシティでコンサート。たまには、息抜きだぁ!
2003/4/14(月) くもり 今日は、組織制御棟の展示コーナーお披露目。
物質・材料研究機構の組織制御棟ロビーに展示コーナーができました。今日お披露目です。

展示コーナーには、古代の建築物に使われた釘なども展示されています。今展示されているのは、室生寺に使われていたものだそうです。室生寺といえば、奈良時代に建てられた真言宗のお寺で、高野山が女人禁制だったのに比べて、こちらは女性でも参拝できたので、女人高野とも呼ばれています。その室生寺の五重塔が、平成10年の台風7号で巨木が倒れかかり、塔の屋根部分が被害を受けました。今では、見事に修復されました。

それにしても、何千年もの時を経ても、朽ちることのない釘。昔の人たちは、鉄鋼の知識なんかなくても超鉄鋼を作り出していたんですね。どうやって?

昔は砂鉄と木炭で鉄を作り出していました。溶解温度が低いため不純物が入りにくく、しかも徹底的に多方向から叩いたために、超鉄鋼となったそうです。(K氏による説明)
おそらく、長い間の試行錯誤を経て、そのような作り方を生み出したのでしょう。

さて、どなたでも展示コーナーには入れます。物質・材料研究機構においでの際は、ぜひお立ち寄りください。
2003/4/11(金) くもり 腰がひどいらしい・・・。
日本は京都議定書で、CO2排出量を2010年頃までに1990年度比6%削減すると約束しました。でも、2000年度時点で8%増。原子力発電所の一時停止もあり、非常に厳しい状況です。
そのため、大規模事業者に対してCO2排出規制を一段と強化しています。製紙、食品工業を中心に燃料のバイオマス、天然ガスへ切り替えがどんどん進んでいます。(よくわからないけど、企業は努力してるんですね・・・。)

しかし、CO2排出量が他業種に比べ飛びぬけている鉄鋼業界は、規模からいって、還元剤に利用している石炭を木炭などのバイオマスに切り替えるのは不可能に近いようです。製造工程ででる水素ガスを発電に利用したり、廃熱を回収したりしていますが、その努力も限界に近づきつつあります。(日経新聞4月5日より)

では、どうしたらいいのでしょうか?
そのひとつに、ストリップキャスティングがあります。スクラップ鉄再生の工程を見直すことによって環境負荷を減らそうと、各メーカー、そして超鉄鋼研究センターは日夜努力しています。
ストリップキャスティングについては、次回をお楽しみに・・・。(ちょっと、Inoさんに緊急出演してもらおうかなぁ?)
2003/4/2(水) あめ 今日はなんとなくクリスタル・・・。
最近読んだ本にゲノム解析の事がでていました。人ゲノムは全て読み終わったけれども、それが何を意味するのかは全てこれからのことだそうです。

ところで、人とチンパンジーのDNAの違いはわずか1.23%なんだそうです。ちょっと信じられないですよね。DNAには情報が書き込まれているところ(エクソン)と書き込まれていないところ(イントロン)があるそうです。人間の場合、イントロンが90%以上。下等な動物ほど、イントロンの割合が減り、エクソンが増えるそうです。イントロンが何をしているのか、今のところ全くわかっていないようですが、人がこれほど高度に発達した理由は、イントロンにあるのかもしれないとのことです。あいまいな部分を残したために、色々なことができるのではないかと。("科学のニュースについていける本"より)

ふーん、しかし、日本の政治家だけが曖昧なのかと思ったけど、人間のDNAそのものが曖昧だったんですねぇ・・・。
さて、お昼休みも終わったことだし、仕事仕事!

(鳴門の渦潮、すごいそうですよ!隣の席のM氏の故郷で、今渦潮の話を聞いたところです。見に行きたいなぁ・・。)
2003/3/28(金) はれ Inoさん、実験室にこもって論文執筆中・・のつぶやき・・・"アー、腰いてぇ・・・"
香港に行ったことありますか?香港の建設現場では足場に竹を使います。日本なら鉄骨で足場を組みますが、竹を紐でしばって高層のビルもなんのその。そこに人が安全ベルトもなしにひょいひょいと登っていって工事をしてるんですね。
それにしても竹ってすごい。なぜあんなにしなるのか、その理由は竹の構造にあります。構造の話はさておいて、竹のようにしなる超鉄鋼っていうのも色々使い道がありそう。
そうそう、木には選択的に土中のシリカを吸い上げるものがあり、材木の中にシリカがたっぷり入っているものが。そういう木を切ると鋸の歯がいっぺんにだめになるそうです。(実際、私も光顕用のスライド標本を作るのに苦労しました)
鋸の歯を超鉄鋼で作ったらどうでしょう?切れ味も、耐久性もよくなるのでは?

さて、本日をもって出向元の企業に帰ってしまわれる方が3人。淋しくなるなぁ・・・。また、遊びに来てくださいね。それまでお元気で!ご活躍をお祈りいたします。
4月には超鉄鋼研究センターもかなりの移動があるといううわさだし、さて、どうなっちゃうんだろう???

冶金グループの男性の皆様、ホワイトデーのお食事ごちそうさまでした。とってもおいしかった。この場を借りてお礼を・・・。
2003/3/14 はれ Inoさん、今日は研究に没頭中
ちょっと小耳にはさんだ話ですが・・・。
HONDAのオデッセイという車がこの不況時に大ヒットしました。ワゴンと言うとひと昔前は商業車でしたが、TOYOTAがエスティマを出してからファミリー向けになりました。HONDAもファミリー向けのワゴンを出そうとしましたが、従来の生産ラインを使って作ろうとすると、どうしても車高が低くなってしまう。仕方なく、車高が低いまま出してみたら、それが大ヒットしたというのです。
デザイナーが考えて考えて考え抜いて出したニューモデルが受け入れられないこともあるし、オデッセイのように仕方なく出したものがヒットすることも・・・。
そういえば、ノーベル賞をもらうような発見、発明は、ひょうたんから駒みたいなものが多いような気が・・・。自然界の多様性は、人間の発想をはるかに超えるものなのですね。あれ?オデッセイの話から自然界の話へなんて、だいぶ飛躍してしまったかな?
2003/3/3 はれ のち くもり Inoさん、今日明日はワークショップ
卒業式シーズンです。秘書Sも先週土曜日、息子の卒業式に出席しました。卒業生代表の答辞の素晴らしかったこと!受験で忙しかったはずなのに、最近の国際情勢を良くつかんでいて将来自分はどう社会に貢献するかを誓っていました。

昨年でしたっけ?東大の総長が「最近の東大生はディベートできるものがいない!個性を感じられる人間がいない。」となげいていらっしゃいました。確かに学校と塾と自宅を往復するだけで高校生活を過ごしてしまい、個性をなくした子供も多いかもしれません。

でも、近頃の子供たちの中にも、小柴さん、田中さんなみの強烈な個性の持ち主が沢山います。息子のまわりに集まっている友人たちを見て、将来は明るいぞ!日本も捨てたもんじゃない!と安心した秘書Sでした。

今日はひな祭り・・・。桜餅買って帰ろうっと!
2003/2/19 はれ のち くもり
中嶋みゆきの"地上の星"がヒットしています。NHK"プロジェクトX"の主題歌ですが、この番組面白いですよね。
何か新しいものを作り上げるための先人たちの努力・苦労を見ると、どんな評判のいい映画もかなわないドラマがあります。

今、ノーベル賞をとった小柴さんの回顧録が日経新聞に連載されています。田中さんの方が癒し系とか言われてもてはやされましたが、小柴さんもどうしてどうして・・・、読んでいると決して楽な道を歩んできたわけでなく、すごい人だったんだと感銘を受けます。

そういえば私には寝食を忘れて没頭なんてことはなかったなぁ・・・。食べることと寝る事が生きがいの秘書Sには到底無理だと納得!
2003/2/5(水) くもり Inoさん、今日は外勤
最近私が一番嬉しかった言葉、
"Thoughts of you remind me the world is beautiful."です。
以前働いていた研究所に研修に来たガーナ人の学生さんからのメールの一文です。もちろん、ラブレターなんかではありません。これは、私に向けられた言葉ではなく、日本滞在中に接した日本人全て、そして、それは日本人全体に向けられた言葉だと思うのです。世界中の全ての人が、そんな気持ちになれたら、争いなんて起こらなくなるのに・・・・。アメリカのイラク攻撃が近いのではないかとマスコミは騒いでいますが、これから先、世界はどこに向かうのでしょうか?
これからの子供たちのために、美しい地球を残したいものですね・・・・。
2003/2/3(月) はれ Inoさん、今日はたまった雑用いっきに片付け
私が、ひと目でいいから見たいと思っているもの・・・。
空から舞い降りる巨大なカーテン、オーロラとスペースシャトルの打ち上げ。

それが、先週の土曜日、コロンビアが着陸15分前に空中で分解、乗組員は全員帰らぬ人となってしまいました。
インタビューを受けていた毛利さんの目にも涙が浮かんでいました。同期の方たちだったそうです。さぞ、つらいことと思います。
大気圏外に出たら月面にいるのと同じ。些細なことでも命取りになるのには変わりないようです。
そう考えると、普段まったく感じないけど私たちは大気に包まれ守られているんだと思います。

亡くなられた宇宙飛行士7名の方々のご冥福をお祈りいたします。
2003/1/29(水) くもり Inoさん、今日は研究に没頭
いわしのひきこもり・・・ん?ん???

マイワシの漁獲量が激減して、練り製品の業界が大変とか。どうも、いわしは50年周期くらいで今までも増えたり減ったりしていたようです。だから今に始まったことではないようですが、ちょっと心配なことが・・・。どうも、人間界だけでなく、いわしにも引きこもり現象がおきているそうなんです。(1/27付け、日経新聞の春秋より)
本来、成長すると外洋に出て回遊するはずのいわし・・。それが、最近は湾内に引きこもって出て行かないのがいるそうです。タマちゃんもそうだけど、日本近海なんて居心地よくないと思うのだけど、どうして??
環境ホルモンの影響とかあるのでしょうか?イワシが過保護になるはずないし・・・。ここを解明すれば、意外に人間の引きこもり現象も解明できるかもしれませんね。・・・・研究は、そんなに甘くない!ってお叱りがとぶかな??
2003/1/8(水) はれ Inoさん、今日は会議ばかり
あけましておめでとうございます。みんな相変わらず忙しそうです。でも秘書Sは負けずに書いてます。
今年の冬は寒いですねぇ・・。筑波おろしが身にしみる・・。19年ぶりの寒い冬だそうで。

地球温暖化が叫ばれて長いことたちましたが、未だ解決策はないようです。
砂浜・・パラソルの下に幸せそうな母子・・やがて波が打ち寄せて母親の方が崩れる・・ドキッ!(砂で作ってあったんですね。)
そして流れる"消えるのは砂浜だけではありません・・・。"という不気味な声・・・。

この政府広告機構の宣伝は、いつ見てもドキッとします。この宣伝、アメリカで流したらどうでしょう?最後に"京都議定書を批准しましょう"って言ったらどうかな?私たちも身近なところから始めなくてはいけませんね。まずは、暖房の設定温度を1度低くする・・うーさむっ!!
2002/12/26(木) はれ Inoさん、今日もお休み
滋賀県信楽町の鍛冶屋敷遺跡で奈良時代中期の(8C中ごろ)の大規模工房跡がみ つかったとか。見つかったのは溶解炉、ふいご、鋳込み穴の跡で、13基も並んで いるといいます。東大寺より先に仏像が作られたとされる甲賀寺。ここの大仏造営に かかわっていたのではないかと推測しているらしいです。
奈良時代の人々が大規模工房で働くさまを思い浮かべる・・・。見たことがある訳でもないのに、なぜかすごく懐かしい気が。現代の人々よりもっと生き生きとしている姿が思い浮かぶのはどうしてでしょう?

物質・材料機構で働き始めてまだ7ヵ月ほど。でも溶解炉、ふいごなどという言 葉に敏感に反応して、今までだったら読みもしなかった記事に目が行く最近の秘 書Sでした。
2002/12/25(水) くもり Inoさん、今日もお休み
日本国民の資産、いくらあるかご存知ですか?
1,300兆円もあるんですよ!!!
いったいどこに??と思うでしょ・・。その資産の80%以上を60才以上の人たちが持っているんです。
その方たちが、お金を使い始めると日本経済が回りだすと思われます。なぜ使わないか?将来が不安だからとのことですが、魅力的な商品があれば、買うはず。何かいいアイディアはありませんか?超鉄鋼を使ったものなら大歓迎!アイディア募集!秘書Sまで、ご連絡を。
2002/12/24(火) くもり Inoさん、お休み
世界知的所有権機関(WIPO)が、2004年から特許の国際出願手続きを簡素化する方針を打ち出しました。現在、各国に個別に出していますが、1国に出願すれば、特許協力条約に加盟している国全部に出したとみなすそうです。

特許に限らず、もっと簡素化できるのにと思うものが多すぎます。当機構も事務を簡素化するために色々改革中ですが、そのためにかえって忙しくなっています。もうしばらくの我慢我慢!グループ秘書、センター秘書の皆さん、ファイトー!
2002/12/18(水) くもり Inoさん、今日はひきこもり
秘書Sまだまだ、元気! Inoさん、今日は実験室に立てこもり・・いや引きこもり・・・。(うるさい秘書Sがいない所で、バリバリ仕事中)

小中学生の学力がかなり落ちているという結果がでました。特に低下が目立つのは数学(算数)と社会。週5日制で授業時間が減ったのに加え、おちこぼれを無くすという理由で理数系の授業時間数を大幅に減らした結果でしょうか。
こういう現実に目を向けず、日本の伝統を学ぶ時間を作るという動きがありますが、なぜ土曜を休みにしたのか、伝統に触れる機会を作るというのも、その理由のひとつではなかったでしょうか?

元物理教師の秘書Sは、今すごく怒っています。
"理数系の授業時間数をこれ以上減らすなー!!!"・・・・・こんな事、書いちゃいけない??
2002/12/2(月) はれ Inoさん、今日も外勤
秘書Sコーナー未だ健在。コーナーのっとり成功か???

スクラップの値段が高騰しているそうです。今頃どうして?って思ったら、不況のためスクラップ鉄がでてこないから供給不足だそうで・・。あれ・・?2030年のスクラップ量の予想、違ってくるのかな・・?
2002/11/26(火) あめ/はれ Inoさん、今日も忙しく飛び回る
秘書Sコーナー継続中。今日もちょっと真面目な秘書S・・・・。

ホンダが7-8人乗り小型ジェット機を開発中。王子製紙は、ユーカリから紙を作り、古紙を回収、そこから生分解性プラスチックや工業原材料を作る研究をし、石油を使わない化学会社をめざす。大成建設は、海水の1/10の濃度に耐えるお米シオヒカリを開発、砂漠化した土地に緑化と食糧生産の道を開いた。(以上2002/11/26付け日経新聞より)
生産だけでなく研究、開発までも中国でという企業が現れる中(これって、大変なことですよ!)、専門技術を別の業種にいかして新しい道を切り開いていく企業がでてきました。最近元気がない日本ですが、日本再生の鍵はここにあると思います。がんばれ日本!がんばれNIMS!がんばれInoさん!
2002/11/20(水) くもり Inoさん、大阪に出張、そのまま静岡へ
先週からずっと出張続きで留守なので、このコーナーは秘書Sコーナーに変わりました。

世界の鉄鋼会社でベスト5に入ったのは、新日鉄だけだとか。1位は韓国のPosco,2位が新日鉄。ベスト5のうち3社くらいを日本が占めたのがうそのようです。日本が再び返り咲くために、超鉄鋼の開発を急がなきゃ!おーい、Inoさん、ガンバってくれやぁ・・!
2002/11/15(金) くもり Inoさん、金沢に出張
「いのさーん、金沢は和菓子がおいしいよー。」
「和菓子には興味ないの!」
「ぐすっ・・。」
・・・かわいそうな秘書S・・・。
2002/10/30(水) はれ 今日はバレーボールで大活躍/午後は圧延実験
今日のお昼休みは機構の各階対抗バレーボール大会。いのさんも出場。
試合はいのさんの活躍で圧勝でした。
午後は圧延実験。