放電加工機(Brother HS-300)使用の注意事項
力学機構研究部第5研究室 平野敏幸(2545)、出村雅彦(2547)
マシンの選択
Brother HS-300は厚くない材料の加工に適しています。厚さ20mm以下を目安として下さい。
厚さが20mm以上の場合はより性能が高く、新製品であるBrother HS-3600(3G橋本健紀氏の管理)を、さらに大型材の加工はJAPAX LDM100(3G小林敏治氏の管理)をお勧めします。かなり短時間で加工できます。
予約
管理者から直接説明を受けたことがない人は使えません。
名前、電話番号、使用開始時間と終了予定時間(おおよそ)を言うこと。
キャンセル、予定より早く終了した時は連絡すること。
被加工材
絶縁物は加工できません。金属表面の酸化物も同様です。
半導体はドーピング量によります。
被加工材と工作物取り付け台(加工テーブル)との導電性も重要です。ワイアから供給された電気が円滑に加工テーブルに流れないと帯電し、加工速度は遅くなるか、不安定になったり、全く加工できなくなります。
マニュアル
3段階あります。パスケースにあるものが最も簡単なもの、次いで、「操作の手引き」、「取り扱い説明書」の順に詳しくなります。
被加工材の取り付け
加工テーブルは柔らかく、傷つきやすいので、平坦な板状材料以外は直接取り付けないで下さい。
付属の取り付け用ステンレス板を加工テーブルに固定し、その上に被加工材を取り付けて下さい。
被加工材の固定は過度にならないように。被加工材が手や水流で動かない程度で十分です。
上下ノズル、取り付け用ステンレス板が被加工材とぶつからないことを確かめること。
加工プログラム
No.14-No.18は管理者専用です。使用しないで下さい。
他のプログラムはどなたでも好きなように、変更、消去して使用して下さい。
加工条件の設定
特別な加工の要求がない限り、加工速度をあげて、加工時間を短縮するように心がけて下さい。
放電周期を短く(数値を小さく)、放電エネルギーを大きくすると、加工電源余裕計は100%の方に振れるので、送り速度を早くできます(加工速度を上げることができる)。ただし、ワイアには負担がかかるので断線しやすくなり、また加工面が粗くなり、加工精度が低下します。
加工電源余裕計の目安は厚さ10mm以下の材料だと80%、厚さ10mm以上だと90%ぐらいです。
加工電源余裕計の針が激しく振動するのは、たいてい帯電が原因です。
設定パラメータの説明は「取り扱い説明書」19-1を参照して下さい。
伝導度の設定
アルミニウムなど、電解しやすい場合は1、または2に設定しますが、他の材料は5に設定します。
作業中に伝導度の測定値を表示しますが(「位置」の2ページ)。この値が設定値まで低下しない、あるいは「+」の場合はイオン交換樹脂が劣化しており、交換しなければなりません。また、「-」や、表示されない場合は冷却水の不足、加工液導電度センサーの汚れが考えられます。いずれの場合も管理者に連絡下さい。
伝導度を1、2などに設定した人は5に設定して終了して下さい。
ドライラン
実際に加工する前に、この機能を利用して加工プログラムが正しいことを確かめること。「操作の手引き」P.64、、「取り扱い説明書」18-10を参照して下さい。
清掃
使用後の清掃、特に上下ノズル、上下給電子、加工テーブルの汚れを清掃して下さい。
徐錆剤
ノズル、給電子、加工槽などの清掃に使う徐錆剤はペンキを溶かします。機械本体が錆ますので、ペンキ塗装部にこぼさないようにして下さい。
記帳
使用記録ノートへの記入をお願いします。トラブル、気のついたことなど、記入して下さい。
質問など
平野敏幸(2545)、出村雅彦(2547)にたずねて下さい。
力学機構研究部第5研究室 平野敏幸(2545)、出村雅彦(2547)