磁気材料の熱電効果

異方性磁気ペルチェ効果(AMPE)は当拠点によって初めて実証された現象であり [K. Uchida et al., Nature (2018)]、ペルチェ係数が磁性体の磁化と電流の相対角度に依存する興味深い熱電効果です。実験の結果、この現象には顕著な物質依存性があることがわかっており、NiやNiを含む合金で特に異方性磁気ペルチェ係数が大きくなることが示されました。我々は第一原理計算に基づいた解析によってこの物質依存性の起源を議論し、Niの特徴的なバンド構造が異方性磁気ペルチェ係数を向上させる鍵であることを提案しました。