(iii)多元的な結晶成長過程を用いたナノ結晶合成、サイズ・形態制御

Keyword:有機-無機ハイブリッド、水熱合成、ナノ粒子、界面制御

酸化物や金属(合金)などのナノ結晶を高温高圧の水中で合成し,その機能(物性)を物性物理・材料科学の視点から精査しています。 このようなナノ結晶は、触媒、顔料、医療用材料など応用上も非常に重要な材料ですが、その基礎的な物性は意外と調べられていないこ とが多いのです。例えば、結晶サイズや表出表面が異なると物性が変化したり、表面制御により結晶構造や電子状態もコントロールでき ることなど、注目すべき現象が最近になって明らかになってきましたが、そのメカニズムはよくわかっていません。最近注目しているの は「有機-無機ハイブリッドナノ結晶」です。有機-無機ハイブリッドナノ材料は、有機分子が有する柔軟性や加工性に加え無機物質の 機能を付与できます。しかし、無機ナノ結晶表面と有機分子との界面での反応について議論が十分ではありません。もし、界面での相互 作用や反応メカニズムが解明できれば、様々な機能性ハイブリッドナノ材料の創製だけでなく、有機と無機の界面における新たな機能の 発現も期待できます。

異なる分子鎖の有機分子により結晶面と粒子形状の制御に成功しました。これは、CeO2ナノ粒子上の有機分子間の相互作用によるものと示唆されます。 今後の課題として、これらの基礎物性評価を検討していきます。