Microscopic Theory of Generation and Detection of Spin Current

28 June 2010 (Mon), 14:00 - 15:30

8F large seminar room, Sengen site/千現地区８階中セミナー室

Prof. Gen Tatara/多々良源准教授

Department of Physics, Tokyo Metropolitan Univ./首都大学東京 大学院理工学研究科

Microscopic Theory of Generation and Detection of Spin Current

スピン流はどこまで制御できているのか? ― スピン流制御の微視的理論

近年スピンの流れ（スピン流)の物理が、そのデバイス応用（スピントロニクス）の観点から注目され、盛んに研究されている。スピン流の応用のためには、スピン流の生成と輸送、また既存のエレクトロニクスとの接点に不可欠な電流ースピン流変換を確立することが必要である。現状では、既にそれら全てに多くの興味深い提案がされており、実験的にはスピン流制御は確立してきている。例えば、強磁性金属では電流には必然的にスピン流が伴うし、非磁性体では電場とスピン軌道相互作用を用いたスピンHall効果を用いることでスピン流は生成できる。また、磁化の運動はスピン流の生成も伴うことが知られており、これを用いると強磁性体と非磁性体の接合で、非磁性体内にスピン流を注入することが可能である(スピンポンピング)。最近では円偏向の光を用いたり、温度勾配を用いたスピン流生成(スピンSeebeck効果)も実現されている。スピン流－電流変換はスピン軌道相互作用を用いて可能であることも確認され、この逆スピンHall効果はスピン流の検出に盛んに用いられている。

講演では、こうした現象の理論的理解がどこまで進んでいるかを紹介し、スピン流制御における課題などを議論する。

[1] Diffusive versus local spin currents in dynamic spin pumping systems, Akihito Takeuchi, Kazuhiro Hosono, and Gen Tatara, Phys. Rev. B 81, 144405 (2010) .

[2] Perturbation Theory of the Dynamic Inverse Spin Hall Effect with Charge Conservation, Kazuhiro Hosono, Akihito Takeuchi, and Gen Tatara, J. Phys. Soc. Jpn. 79, 014708 (2010) .

Dr. Hiori Kino(木野日織）