16:00-16:30
スピン偏極走査型トンネル顕微鏡 ―半導体表面への応用―
石田暢之(先端プローブ顕微鏡NIMSポスドク研究員)
-
スピン偏極走査型トンネル顕微鏡(SP-STM)は1988年にPierseによって提案されて以来研究開発が行われ、現在では物質表面の形状、電子状態、スピン状態を原子分解能で評価できるツールとして重要な役割を果たしている。しかし、これまでその応用範囲は強磁性体および反強磁性体に限られており、半導体表面への応用例はごくわずかである。現在盛んに研究が進められているスピントロニクス分野では、磁性体とともに半導体は重要な材料であり、そのスピン状態を高空間分解能で評価することは重要な研究課題の一つとなっている。本講演では、光励起GaAs表面でのSP-STM計測の原理を説明し、その後、現状、将来展望等を紹介する。