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EPMAのマッピングデータを用いた材料組織評価
木村 隆 (ナノ計測センター先端表面化学分析グループ)
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電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)は1956年にフランスのカメカ社から初の商用機が発表されて以来,現在まで多くの材料研究分野で利用されてきた。最近ではサブミクロン領域の分析が可能になるなど応用範囲もさらに広がっている1)。特に,コンピュータの性能向上に伴って面分析(マッピング)の高速化が図られたことにより,成分元素の分布状態を画像として収集・解析することが可能になってきた。ここでは,EPMAで収集したマッピングデータの解析方法として開発した散布図分析2)を紹介し,実際の材料組織を解析した例を紹介する。
(散布図分析とは2元素以上の組み合わせから元素間の相関を評価する方法で,散布図に現れる特徴から化合物を同定し,且つその分布状態まで明らかにすることが可能である。さらに,この手法を応用することでX線発生領域よりも小さい化合物や,複数の化合物が混在した組織の評価が可能となる。)
参考文献
1) Takashi Kimura, Kenji Nishida, Shigeo Tanuma: Microchimica Acta, 155(2006) 175-178
2) 木村 隆,杉崎 敬,西田憲二,石川信博,田沼繁夫:日本金属学会誌,68. 1(2004)8-13