STMで見る低温Si(100)表面の周期構造
鷺坂恵介(ナノ計測センター先端プローブ顕微鏡グループ 研究員)
- 走査型トンネル顕微鏡(STM)は固体表面の原子配列や電子状態を実空間で測定可能であることから、現在では表面科学の研究分野において重要な計測技術である。ナノ計測センター先端プローブ顕微鏡グループでは、STMを用いて極低温、強磁場、極高真空などの極限環境における様々な固体表面の物性探索を行っている。
本セミナーでは、最近の研究成果から、清浄なSi(100)表面の周期構造や電子状態に関する低温STM計測の結果を紹介する。Si(100)表面は半導体回路製造から基礎研究まで幅広く用いられおり多くの研究者にとってなじみのある基板材料であるが、低温で現れる表面周期構造についてはつい最近まで議論が続いていた。Si(100)表面構造の研究の流れを交えて低温STM観察の結果を紹介する。