自由エネルギー障壁にもとづいた有限温度における保磁力解析
日本金属学会2018年秋期(第163回)講演大会
Abstract
Nd2Fe14Bに代表される希土類永久磁石の保磁力向上のためには,その不均一な構造や粒界相界面の存在から, 原子スケールでの構造制御や磁化反転機構解明の重要性が次第に明らかになってきている. 局所的な磁性の変化とそこへの熱揺らぎが保磁力へ与える影響を明らかにするには従来の 連続体模型による解析では不十分で,原子スケールでのスピン模型による解析が必須となってくる. 講演では,原子レベルの情報を含むスピン模型の構築とその性質について概説した後, 自由エネルギーに基づいた保磁力の温度特性について最近の研究結果をもとに紹介する.