放射光X線によるNd-Fe-B永久磁石の破断面磁性評価
第37回日本磁気学会学術講演会
中村哲也 ( JASRI )
保井晃 ( JASRI )
小谷佳範 ( JASRI )
大河内拓雄 ( JASRI )
鳴海康雄 ( 東北大金研 )
野尻浩之 ( 東北大金研 )
木下豊彦 ( JASRI )
大久保忠勝 ( NIMS )
宝野和博 ( NIMS )
広沢哲 ( NIMS )
概要/Abstract
近年、自動車やエネルギー分野での高性能永久磁石材料の需要が増すなかで、希少元素を用いない高保磁力永久磁石の開発は、我が国における元素戦略の主要課題である。
これまで最強の永久磁石材料であるNd-Fe-B 系磁石においては、Dy の添加量を低減、もしくは、ゼロにしつつも保磁力を飛躍的に向上させることが材料開発上の目標である。
Nd-Fe-B の保磁力を向上させるためには、Nd2Fe14B 結晶が有する約7.5 Tの異方性磁界を効果的に保磁力に反映することが鍵となるが、その方法を見いだすためにも、隣接する主相結晶粒同士を磁気的に分断する役割を担う二粒子間粒界(GB)相の物性を解明することが重要である。
そこで、我々は、GB 相の磁性と保磁力性能との相関を得ることを目的として、Nd-Fe-B 焼結磁石破断表面に露出したGB 相の磁性を軟X線磁気円二色性(MCD)により解析したので、その結果について報告する。
今回の講演では、特に破断表面におけるGB 相の被覆状況、および、同一試料から切り出した試料片毎の解析結果の相違についての考察を示し、軟X線MCD によるGB 相の磁性評価についての理解を深めるものとする。
これまで最強の永久磁石材料であるNd-Fe-B 系磁石においては、Dy の添加量を低減、もしくは、ゼロにしつつも保磁力を飛躍的に向上させることが材料開発上の目標である。
Nd-Fe-B の保磁力を向上させるためには、Nd2Fe14B 結晶が有する約7.5 Tの異方性磁界を効果的に保磁力に反映することが鍵となるが、その方法を見いだすためにも、隣接する主相結晶粒同士を磁気的に分断する役割を担う二粒子間粒界(GB)相の物性を解明することが重要である。
そこで、我々は、GB 相の磁性と保磁力性能との相関を得ることを目的として、Nd-Fe-B 焼結磁石破断表面に露出したGB 相の磁性を軟X線磁気円二色性(MCD)により解析したので、その結果について報告する。
今回の講演では、特に破断表面におけるGB 相の被覆状況、および、同一試料から切り出した試料片毎の解析結果の相違についての考察を示し、軟X線MCD によるGB 相の磁性評価についての理解を深めるものとする。