NIMSナノテクノロジー拠点 超高圧電顕共用ステーション
高分解能ナノ構造観察チーム)
私どもは平成14年度から18年度にかけて、「文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクト」の、「超高圧電子顕微鏡による解析支援」事業に関わって来ました。平成19年度から新たに、全国規模の「ナノテクノロジーネットワーク」事業として新たなスタートを切っております。本プロジェクトは全国に13の拠点を設け、そこでは最先端の設備の活用機会を外部利用者に提供します。
NIMSでは「NIMSナノテクノロジー拠点」を発足させましたが、その中で我々は、「超高分解能超高圧電子顕微鏡による、高分解能ナノ構造観察」をミッションとして、研究支援業務を展開しております。電子顕微鏡による材料解析に関しては、民間の分析会社も力を入れておりますので、それと重ならない支援内容として、私どもは下記に重点を置いております。

(1)超高圧電子顕微鏡による厚い試料の高分解能ナノ構造観察
   (200kV級電顕では観察できない、厚い試料を支援対象とします)
(2)ローレンツ電子顕微鏡によるナノ磁区構造の観察
   (電顕を磁気汚染する可能性のある試料はお断りすることがあります)
(3)液体ヘリウムや液体窒素冷却による、極低温ナノ構造の解析
   (高温加熱実験の支援は行いません)
(4)極めて高度な実験・解析を要するEELSやEDX分析
   (単純な元素分析やマッピングの支援は行いません)
(5)その他、共同研究として実施するに相応しいと判断される研究テーマ

これらの支援内容は一般の分析業者では困難であると思われますので、私どもとして積極的に対応する所存です。もちろん、研究テーマが興味深く、支援によるデータが共著論文や特許に結びつくことが見込まれていることが大前提となります。

私どもの研究グループの支援と共同研究を希望される場合は、まずホームページ(http://www.nims.go.jp/em_nims/)にアクセスして頂き、ユーザー登録をお願い致します。ユーザー登録が完了しますと、IDとPasswordが発行されます(メールでお知らせ致します)。実際に課題を提案される場合は、上記のIDとPasswordにて「ユーザーページログイン」へお進み下さい。「新規提案」ボタンから、課題提案をご記入下さい。支援希望グループとして「超分解能超高圧電子顕微鏡を活用した解析支援」を選択すると、ご提案課題が私どものグループへ「審査依頼」されて参ります。当方で、提案課題の内容を検討し、場合によっては直接お問い合わせをして、最終的に採否の判定を致します。

前年度までの支援実績
外部支援
(左) 超高分解能超高圧電子顕微鏡(H-1500)

(右) 支援の実例(東京工業大学山内研究室)
    (Hg,W)-1232型酸化物超伝導体の構造解析