|
当グループの活動領域は、一言で言えば、 「X線スペクトロメトリおよびイメージングによる新しい計測・分析」です。「計測・分析」は、既製の装置等を動かして測定を行なうといったことではなく、これまで困難・不可能であったものを可能とするための挑戦、新しい手法・装置を編み出すことを目標としております。その際、ありがちな落とし穴として戒めてきたのは、相手が物質・材料であれば「ものをつくる」心が肝心であり、それがわかっていなければ「計測・分析」もうまくゆかない、ということです。近隣の研究室の材料開発の文化を学び、自らも日々試料を作り、新材料の合成や探索にも取り組んでいるのはそのためです。他方、新しい測定原理にもとづく独自の計測装置の開発と装置制御/解析ソフトウエアの開発を研究の根幹に据え、物理系の研究手法を多く取り入れております。また、基礎学問の新規分野の開拓
だけでなく、産業応用やビジネス展開をも視野に入れた実用技術の開発にも取り組んでいます。
1.超微量物質の計測・分析技術の開発
(シンクロトロン放射光による超高感度蛍光X線スペクトル取得技術、新分光器の製作・開発等)
2.新しいイメージング技術の開発と応用
(蛍光X線および回折・XAFSイメージング、時分割のX線分光計測、化学状態分析等)
3.新規・高度なスペクトル分析の研究
(化学状態分析、時間分解X線スペクトル解析、ウエーブレット変換等の数理的手法の導入等)
4.埋もれた界面のナノスケール構造・ダイナミクスについての研究
(X線・中性子反射率法の高度化、迅速・ライブ計測とビジュアリゼーション・微小領域分析等)
5.原子レベル構造解析を駆使した物質・材料研究
(非平衡物質の原子レベル構造の精密決定等)
6.環境・エネルギー問題等、社会的な課題への貢献
(新規蛍光体の開発、資源循環のための産業廃棄物スクリーニング、製鋼スラグの無害化利用、原子力施設等の構造物モニタリング、燃料電池車の車両検査、テロ対策等)
7.その他
(分析ロボティクス、無線技術活用等)
当グループでは、とにかく新しいこと、独自であることを重視しています。全く新しい研究を行う場合、市販の機器によっては実施できないことが多くあります。そのため、独自の研究手段の開発・確立をまず行い、それらを駆使して新しい研究を進めるというスタイルを堅持しています。
現在は、以上のテーマ群全体を通して、
「素早い」「時分割」あるいは「試料をほとんど動かさない」技術開発に特に力を入れており、「ものを見ることがものをつくることでもあり、またその逆でもある」という材料
工学の新段階を構築
するのに役立つような研究を目指しています。
|