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アーク溶接における超微細粒鋼(超鉄鋼)溶接熱影響部の特性


省資源・低コスト化の観点から、合金元素の添加量を抑え、軟鋼レベルの成分で引張強さ800MPa級の溶接構造用高強度鋼を開発してきました。
この高強度鋼の基本理念はHall−Petch則にしたがってフェライト結晶粒を1ミクロン未満に極微細化して高強度化を計ろうとするものです。
しかし、フェライト結晶粒が5ミクロン以上である市販のSM鋼やTMCP鋼等では第二相はパーライトであるのに対して、フェライト粒径が1ミクロン 未満の超微細粒鋼では第二相が直径0.14〜0.16ミクロンの球状セメンタイトです(左図)。
この超微細粒鋼をアーク溶接したときに母材部から溶接熱影響部(HAZ)にわたって硬さが母材よりも低下する(右図)、 つまりHAZに軟化域が生じます。
これは、HAZ軟化域の微細フェライトの粗粒化(中央図)によるものです。
このようなHAZにおける超微細粒鋼のミクロ組織の変化を詳細に解析し、強い溶接部を生み出そうとしています。
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<出 典>
伊藤、平岡、志賀、
超狭開先アーク溶接における超細粒鋼熱影響部の特性、
溶接学会論文集、Vol.22 (2004)、No.3、458−466

   


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