共同研究の推進


産学官との連携によって、研究シーズの応用、基礎的な知見の一層の深化、独創的な解析機器・特徴ある設備の有効活用などのために共同研究を積極的に行います。これにより、我が国の鉄鋼材料研究の発展に大きく貢献します。


第2期運営の基本的考え方と共同研究の推進

  共同研究の制度設計に当たっての留意点

  共同研究成立までのプロセスと運用

  共同研究希望者(企業、大学)からSTXに提出をお願いする資料

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  1. 第2期運営の基本的考え方と共同研究の推進

    (1) 新たな視点
    平成9年4月以来、多くの支援を得て21世紀のインフラを革新する超鉄鋼材料の実現を目指して研究(STX-21プロジェクト研究)を進めてきた。また併せて、物質・材料研究機構として、我が国の鉄鋼材料 研究の中核機関に育つことも目指してきた。第1期研究は
     
    1) 多くの画期的な研究シ−ズの創出

    2) 設備、人材の研究基盤の充実

    として結実し、これらは将来の革新的な鉄鋼材料開発に確かな展望を開くとともに、第1期に投資された125億円は先行投資として評価委員会で評価されている。 第2期研究においては、第1期も含めた投資をいかに社会に早急に還元するかが重要な視点の一つとなる。また、独法への移行や財政事情を勘案すると、今後は自立的な運営と可能な限り外部との共同研究につとめることが文部科学省からより強く求められている。 すなわち、第2期では

    1) この5年間の投資を可能な限り早く社会に還元する。 2)自立的な運営を行う。 3)こういう運営の中で、可能な限り外部との共同研究につとめる。 4)今後も我が国の鉄鋼材料研究の中核機関となることを目指し、鉄鋼研究をリードしていく(プレ終了評価、次期プロ事前評価委員の全員から強く要請されている 。)ことを視点に置き、そのための戦略の明確化および制度の整備を行う。

    (2) 新たな視点を見据えた方策の転換: 共同研究の推進 第1期では集中研究の考え方で、共同研究等を一般的には排除してきた。このことが、画期的な成果をもたらした一要因と評価されている。しかし、今後の実用化を見据えた展開ステージでは、必ずしも有効なシステムとは考えられず、集中すべきもの、共同すべきもの、また新たなシーズを発掘育成すべきものに分類し、それぞれ有効な手段をとるべきと考えている。基本的には、第2期での実用化を見据えた課題は、民間等との連携が基本になると考えている。このため、

    1) プロジェクトの成果を可能なものから早期に実用化を目指す。
    2) 実用化のための共同研究を積極的に行う。

    こととする。 また、第1期5年間の研究で蓄積された、

    3) 研究シーズ、基礎的な知見、独創的な解析機器、特徴ある設備を有効に活用する共同研究を積極的に行う。これも投資への還元につながり、我が国の鉄鋼材料研究の発展へ大きく貢献するものである。従って、これまでの1極集中型研究から適切な管理・運営を基にした共同研究を取り入れた運営体制へ第2期では方策を転換する。

    これらの研究の実施形態としては、お互いの応分負担に基づく研究、負担が一方に偏る受託・委託の色彩の強い研究、装置の単純使用を基にする研究などいろいろな形態が考えられるが、いずれの形態の研究も機構の共同研究規程に基づく共同研究として実施したい。 また、共同研究を性格で分類すると

    1) これまでの成果を基にして早期実用化を図るための共同研究。

    2) 基礎的な知見、設備・装置を活用する基礎基盤的な共同研究。

    の2つに大別される。

  2. 共同研究の制度設計に当たっての留意点

    (1) 共同研究の制度や運用方法、事務手続きはできるだけ簡略化して相互の負担を軽減する。

    (2) 共同研究には様々な問題点が出ると予想されるので、運用に係わるルール化は最小限に止め、個別協議の余地を十分に残す。

    (3) 共同研究の調整と柔軟性
    ・ 共同研究には、実用化に近いものから基礎的なものまであるので、採択基準や運用方法には柔軟性を持たせる。
    ・ 共同研究の内容をフロンティア企画調整委員で公開するのが困難な場合も予想されるので、共同研究相手方の考えも尊重する柔軟性が求められる。

    (4) 共同研究成立までのプロセス、採択基準、運用方法を明確に提示し、透明性を持たせる。

    (5) 応分負担の形態には、研究費の他に、民間の大型設備運転費、人件費など多様な形態があることに留意する。

    (6) 共同研究はSTX-21プロジェクトの促進、成果の民間への早期移転を基本に、知見・設備の有効活用などを目的に行うものであることを原則とする。

  3. 共同研究成立までのプロセスと運用

    (1) 共同研究の3原則

    @ 超鉄鋼研究を推進するもの。

    A 機構の共同研究規程に従った運用。

    B 共同研究終了後は、成果を公開。

    (2) 共同研究成立までのプロセス:

    ▽STX発案型共同研究の決定プロセス

    @ 共同研究を希望する研究者は、目的、プロジェクトへの寄与、プロジェクト研究との関係、役割分担、分担者、費用等をタスクフォースリーダーに報告し、タスクフォースリーダーは共同研究の実施の可否を判断する。

    ASTX総括WGに共同研究案を提出し、STX総括WGは下記(3)の視点から共同研究の実施の可否を決定する。

    共同研究の内容は秘密重視の観点から、STX総括WG(センター長と関係研究グループの主幹研究員の計4名で構成)で共同研究採択を決定する。STX総括WGは、共同研究採択のみならず共同研究運用全般に関して責任を負う。

    B STX総括WGはSTX調整会議に共同研究の概要をおよび採択結果を報告。

    C STX総括WGが共同研究の相手先企業を最終決定。

    D 共同研究を実施しようとする者は、機構の共同研究(計画−実施)手続きフローに従って、研究ユニット長に対し共同研究契約の締結について上申する。

    研究ユニット長が共同研究諾否の最終的な決定を下すが、STXとしての共同研究採択基準(下記の(3))は十分に伝える。

    E 機構の共同研究規程に基づき共同研究契約書作成及び締結の事務手続き開始。

    F 共同研究成立をフロンティア企画調整委員会に報告。
    課題名、相手企業名を報告、研究内容は非公開。

    ▽民間企業、大学発案型共同研究の決定プロセス

    @ 共同研究希望者(企業、大学)は、STX内の該当する研究者と予備的協議を行った上で、課題名、目的、役割分担、分担者、派遣者の有無、費用などの資料をSTXに提出する。
    提出する資料: 4.(1)を参照。

    A STX総括WGと関係タスクフォースリーダー、研究担当者で協議し、(3)の視点から共同研究の実施の可否を決定する。

    B STX総括WGはSTX調整会議に共同研究の概要および採択結果を報告。

    C 共同研究を実施しようとする者は、機構の共同研究(計画−実施)手続きフローに従って、研究ユニット長に対し共同研究契約の締結について上申する。研究ユニット長が共同研究諾否の最終的な決定を下すが、STXとしての共同研究採択基準(下記の(3))は十分に伝える。

    D 機構の共同研究規程に基づき共同研究契約書作成及び締結の事務手続き。

    E 共同研究成立をフロンティア企画調整委員会に報告。 原則として、課題名、当該企業名は公開、研究内容は非公開とするが、当該企業の考えを尊重し、公開の範囲は個別協議による。

    (3) 採択基準と運用体制

    ・STX総括WGは以下の視点から共同研究の実施の可否を決定する。
    プロジェクトへの寄与、プロジェクト研究との関係、役割分担、STX内研究体制(分担者)、派遣者の必要性、費用など。重複研究や二重契約の回避には十分配慮する。

    ・STX総括WGが共同研究運用の責任を負う。
    プロジェクト管理、情報管理、研究管理、研究者管理など。

    ・共同研究に係わる情報管理や秘密の保持は、特に機構の研究者に対して強く求められるため、機構内で意識の徹底やそのための体制作りをする。

    (4) 運用に当たっての留意点

    @ 研究分担者、派遣者 研究分担者、派遣者の必要性、その形態(構造材料特別研究員など)については、事前の個別協議事項とする。

    A 分科会や研究推進委員会等での公開
    STXプロジェクトの評価に係わる問題であるため、分科会や研究推進委員会では原則として

    ・課題名、企業名を公開。
    ・研究内容は、共同研究終了後に公開。

    B 機構の共同研究規程に係わる留意点

    ・機構の共同研究規程は、基本的考え方や精神を示すものであり、細部についてはSTX内規による。

    (5)海外との協力関係
    第1期では、情報交換(ワークショップ、国際会議)のみ。今後も、情報交換に留める。

  4. 共同研究希望者(企業、大学)からSTXに提出をお願いする資料と受付窓口

    (1) 共同研究希望者(企業、大学)からSTXに提出をお願いする資料

    @ 共同研究の課題

    A 想定される共同研究相手(STXの研究者)

    B 共同研究を実施する組織、分担者、派遣者の有無(企業、大学側)

    C 共同研究の期間

    D 共同研究の内容及び相互の分担

    E 共同研究を行う理由

    F その他参考となる事項

    (2) 受付窓口

    共同研究に関する問い合わせは、片田 康行が対応します。

    共同研究提案資料の提出に当たっては、片田が随時受け付けます。

    〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
    物質・材料研究機構 超鉄鋼研究センター
    片田 康行
    Tel: 029-859-2112, Fax: 029-859-2101
    Email: KATADA.Yasuyuki@nims.go.jp


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