第99回先端計測オープンセミナー
スピン分子 ーフラストレーションが生む特異な素励起と物性ー
日時
2017年5月16日 (火) 14:00~15:00
会場
国立研究開発法人 物質・材料研究機構
千現地区 研究本館8階 中セミナー室
交通案内 →
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参加方法及びお問合わせ
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講演者
富安 啓輔 (東北大学大学院理学研究科物理学専攻、助教)
表題
スピン分子 ーフラストレーションが生む特異な素励起と物性ー
講演要旨
運動状態 (励起状態) は静止状態 (基底状態) と並び物理の根源を司る。近年、我々は中性子非弾性散乱を用い、フラストレート磁性体であるスピネル酸化物において、電子スピンの揺らぎ成分が形成する美しい幾何学形状のナノスケールクラスター「スピン分子励起」を発見した。これは、難解な多体系の励起状態に独立準粒子的な直観描像を提供し、トポロジカルリング/チャージで記述されうるという理論提案もされている。さらに、興味深いことに、スピン分子は熱伝導率や弾性特性に異常を与え、断熱・防音機構のシーズとなる可能性があることも分かって来た。ここではこの一連の進展をご紹介したい。