水素製造材料グループ

エネファームとして実用化された固体高分子形燃料電池では、燃料極の触媒に白金(Pt)が用いられていますが、Ptが微量の不純物で性能劣化を起こすため、燃料の水素は高純度である必要があります。現在は何段階もの精製工程を経て高純度水素を製造していますが、コンパクトで効率的に水素を高純度化できる合金膜を用いる膜分離法が期待されています。現在までにPd合金が実用化されていますが、希少資源で高価であるため、実用は極めて限定的です。私たちはPdを代替する合金膜材料の開発を行っています。

専門分野・研究対象

Pdよりもはるかに資源豊富・安価で、水素透過性能の高いVに目をつけ、Niの合金化によって、高い水素透過度を保ちながら、水素の存在下でも割れにくく、強度と加工性を併せ持つ合金を得ることができました。20μm程度まで薄い膜に加工することができ、高い透過流量と不純物ガスの完全分離を達成することに成功しています。今後は、V合金の特徴である低温での高い水素透過性能を活かして、まずは低温で水素精製を行うモジュールの開発を行い、応用が期待されているメタン改質反応と組み合わせる高温での耐久性改善に取り組んで行きます。

「図1. 質量分析計による透過ガスの分析結果: (32 ミクロンの V-15Ni, 573K, H2+ 10%He.) 水素ガスのみが透過して観察されるが、水素より径の小さいHeが全く観察されない。」の画像

図1. 質量分析計による透過ガスの分析結果:
(32 ミクロンの V-15Ni, 573K, H2+ 10%He.)
水素ガスのみが透過して観察されるが、水素より径の小さいHeが全く観察されない。


「図2. 試作した水素分離モジュールの模式図。透過面積約14cm2で大流量での実験が可能。」の画像

図2. 試作した水素分離モジュールの模式図。透過面積約14cm2で大流量での実験が可能。




グループリーダー

(にしむら ちかし)

西村 睦

(にしむら ちかし)


お問い合わせ先

水素製造材料グループ
〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
E-Mail: NISHIMURA.Chikashi=nims.go.jp([ = ] を [ @ ] にしてください)
国立研究開発法人物質・材料研究機構
〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
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