高強度材料グループ

微視組織が力学特性に及ぼす影響は、組織サイズと同じ微視スケールにおける変形挙動に深く関係します。しかし、従来は変形後の組織観察などによってそれを推測してきたに過ぎません。我々のグループでは、新しい手法であるナノスケールの局所力学挙動解析によって、マクロ強度発現の素過程機構解明を行います。また、連続体力学シミュレーションの高度化によって、ナノスケールの変形挙動からマクロ特性を予測する手法の開発を進めます。鉄鋼などの金属材料を主な対象とし、転位、結晶粒界、固溶元素、第2相介在物などの格子欠陥が力学特性に及ぼす影響を明確化します。これらの取り組みによって、微細で複雑な組織と強度特性の関係を明らかにし、マクロ強度設計の新しい指導原理確立を目指します。

専門分野・研究対象

1. ナノスケール局所力学挙動解析

ナノ - サブミクロンスケールにおける力学応答を直接評価できるナノインデンテーション法によって、組織 - 力学応答を精緻に解析することを特徴としています。これにより、例えば、結晶粒径が異なっても粒内の変形だけを抽出することや、1つの粒界だけを対象として変形挙動を調べるなど、特定の組織を選択・抽出して力学応答を定量的に評価することによって変形機構の解明に迫ります。


2. TEM内その場変形解析

微視スケールにおける変形挙動をより直接的に解析する手法として、透過電子顕微鏡内での材料の変形挙動をその場観察する手法を応用します。これにより、変形中の組織変化 (主に転位組織) を動的に観察しながら、これと同時に計測される荷重 - 変位関係を得ることによって、変形組織の形成過程と力学応答の関係を精緻に解明することができ、素過程の解明を行います。


3. マルチスケール塑性変形挙動解析

マクロな力学挙動は、様々な組織 - 力学関係の重ね合わせや相互作用によって発現すると考えられています。微視スケールにおける力学挙動を連続体要素の変形にモデル化し、それらをスケールアップすると同時に高いひずみレベルの挙動を再現する手法を高度化することによって、微細組織を持つ材料のマクロな力学挙動の予測に挑戦します。


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高強度材料グループ
〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
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