2013年度 (平成25年度) 第3回 GREEN拠点賞決定

2014.06.10 更新

GREENでは、若手研究者奨励を目的にナノ材料科学環境拠点賞 (GREEN拠点賞) を平成23年度からはじめています。この度、第3回授賞者を平成25年度での研究活動を対象に決定し、東北大&GREEN合同シンポジウム (6月2日) の機会に顕彰しましたので報告します。

GREEN拠点賞

慎重で厳正な選考の結果、先進賞は森永 隆志、高田 剛の両氏に、長期RA賞はElumalai Ganesan氏に、そして短期RA賞は佐藤 雅人、丹野 駿の両氏 (各賞いずれもアルファベット順) にそれぞれ決定し、授与しました。 

授与式では各授賞者ごとに授賞理由を紹介し、賞状とトロフィーを魚崎 浩平拠点長から直接手渡して、シンポジウム参加者とともにお祝いしました。

賞状とトロフィーを手にする受賞者、並びに関係者


魚崎拠点長より授与される森永隆志氏 (左)




先進賞


森永 隆志 氏
(革新高分子電解質設計グループ、主幹研究員)
リビングラジカル重合によるイオン液体型ポリマー電解質設計

授賞者は、リビングラジカル重合を基盤とする精密高分子合成技術を用いてイオン液体型ポリマーを主成分とするバインダーポリマーを合成し、微粒積層型電解質に導入することで高いイオン伝導性を損なうことなく機械的強度を大幅に向上させることに成功した。また授賞者は、平成23年度より鶴岡高専から派遣され、高分子電解質の研究開発においてGREENに貢献すると共に、短期RA制度を活用しての学生の教育やNIMSとの交流にも尽力した。





高田 剛 氏
(光化学エネルギー変換グループ、特別研究員)
可視光水分解光触媒の新規表面修飾法

授賞者は、水分解に有効な新規表面修飾法を開発し、この技術を遷移金属系の酸窒化物の組成変化による水分解光触媒の改良に適合させることにより、可視光域での水分解の可能性を拡大する道を開いた。この新規表面修飾法は特許出願中である。他の材料分野にも適用できる可能性があり、今後の展開も期待される。

 



長期RA賞


Elumalai Ganesan 氏
(北海道大学大学院、博士後期3年)

授賞者は、金表面に窒化ホウ素薄膜を担持することによって、裸の金表面と比べて、酸素還元反応への触媒活性を飛躍的に向上させることに成功した。この成果は、理論的に提案されていたコンセプトを実験的に証明するもので、GREENの提唱する理論と実験の融合に適ったもので、GREENへの貢献は大きい。二報の論文 (JACS、PCCP) が受理されており、成果を博士論文にまとめている。




短期RA賞


佐藤 雅人 氏
(秋田大学、学部4年)

授賞者は、平成25年度においてオープンラボ研究者の研究に参加し、短期RA制度を最もよく活用した学生として際立った実績を残しており、その研究成果も良くまとまっている。26年度は大学院修士課程に進んでおり、今後の活躍が期待される。





丹野 駿 氏
(鶴岡工業高等専門学校、専攻1年)

授賞者は、平成25年度において短期RA制度を活用したインターンシップに参加し、積極的に実験の実習を行うとともにGREENはじめNIMSの研究者との交流を深め、研究に対する意欲を高めた。その経験を活かして、さらなる活躍が期待される。




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