第37回 GREENオープンセミナー
京都大学大学院工学研究科の辨天 宏明助教より、ご講演いただきます。
皆さまのご参加を、心よりお待ちしております。
Abstract
電流計測AFMで明らかにする共役高分子薄膜のナノ構造と電子機能
近年、共役高分子を用いた太陽電池 (高分子薄膜太陽電池) の研究開発が世界中で進められています。高分子薄膜太陽電池では電子ドナー性の共役高分子と電子アクセプター性の共役高分子 (またはフラーレン誘導体) のブレンド膜を発電層に利用しています。そのため光電変換の機構を理解し高効率化につなげるためには、発電層の相分離ナノ構造や局所的な電子物性の評価が重要になります。電流計測原子間力顕微鏡(C-AFM)は、金属コートしたAFM探針をナノ電極として用いることで、探針直下の構造と電子的特性とを同時に測定できる技術であり、導電性、正孔・電子輸送能、電流電圧特性など、これまでマクロスケールでしか実現できなかった材料の電子物性解析を20 nmのAFM空間分解能で達成できます。本講演では、C-AFMを用いた共役高分子薄膜のナノ構造と電子機能評価に関する我々の研究成果の一部を紹介いたします。