プロジェクト1 : 機能性材料のシーズ顕在化に向けたプロセス技術の創出

目的

基礎科学に根ざした研究により画期的な新素材が生まれたとしても、プロセス技術が弱ければ、素材の本来の性能を引き出せず、イノベーションの創出には繋がりません。また、製造プロセスが十分に吟味されていない材料は、製造業を営む企業にとってのシーズとしては価値が低く、死の谷・ダーウィンの海に阻まれます。材料シーズを芽吹かせるには、シーズと産業界を結ぶ橋渡し役が必要です。本プロジェクトでは、機能性材料のシーズ顕在化、即ち、新素材としての価値を具現化し、その力量を科学的に担保することを目的とします。


概要

プロセス技術、という単語から想起されるイメージは、一方では生産技術、すなわち、工場での生産や歩留まりの改善を意識するようなものであり、他方で、未だ得られたことのない材料・構造を実現するための新しい合成ルートの開拓を意識するようなものでもあります。物質・材料の基盤技術の開発をミッションとするNIMSにおいては、特に、後者に軸足を置き、材料の硬さと靭性の間のトレードオフを打ち破るような新材料を得るためのプロセス、あるいは、未だ実現されていない複合材料を効率よく得るためのプロセスなど、プロセスとしてのシーズを提供することで、イノベーションの起爆剤を発信することを目指します。特に、基礎学理をベースとした素過程の理解を重視することで、大きな波及効果を生み出すプロセス技術を発信します。
また、これまでの材料開発は、金属・無機・有機という枠の中において行われることがしばしばでした。しかし、実際の材料開発においては、無機フィラーと有機マトリックスの複合化、セラミックスのプリカーサーの造形のための高分子バインダー(接着剤)など、有機と無機とが相補的に機能を果たすことによって部材の生産がなされています。また、コロイド化学、レオロジーなどの基礎的な学理においては、無機、有機にまたがるものも多く、さらに、求める機能についても、有機・無機という素材の違いはあれ、膜の分離・透過機能であったり、塑性変形であったりと、共通する課題が多く存在します。本プロジェクトにおいては、プロセス開発というキーワードを中心に、無機・有機・金属にまたがる分野融合を誘起してシナジー効果を得ることで、シーズの社会実装を加速することを狙いとしています。


プロジェクトの構成

本プロジェクトは、3サブテーマから構成され、高機能金属系線材の複合化による輸送、エネルギー、医療分野における実用化の加速、無機材料の階層的な組織・構造制御による先進的機能の設計、高分子材料プロセスの高度化による高機能フィルムの新産業開拓を行います。特に、高機能フィルムでは、ヒューマンインターフェースへの展開、および資源開発と環境保全に寄与する分離機能材料への応用を目指します。

プロジェクト名 責任者
機能性材料のシーズ顕在化に向けたプロセス技術の創出 一ノ瀬 泉
プロジェクトサブテーマ サブテーマリーダー
高分子・複合材料プロセス技術の高度化による未踏機能の開拓 一ノ瀬 泉
無機材料プロセス技術の精巧化による先進的機能設計 打越 哲郎
金属材料プロセス技術の高度化と応用基盤の構築 菊池 章弘


プロジェクト責任者兼サブテーマリーダー

(いちのせ いずみ)

一ノ瀬 泉

(いちのせ いずみ)


サブテーマリーダー

(うちこし てつお)

打越 哲郎

(うちこし てつお)


サブテーマリーダー

(きくち あきひろ)

菊池 章弘

(きくち あきひろ)


お問い合わせ先

機能性材料研究拠点
〒305-0044 茨城県つくば市並木1-1
E-Mail: kinou-inquiry=ml.nims.go.jp([ = ] を [ @ ] にしてください)
国立研究開発法人物質・材料研究機構
〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
TEL.029-859-2000 (代表)
FAX.029-859-2029