- 名称
- 第11回 ナノテクノロジー基盤領域研究交流会
- 開催日
- 2009/06/05 (金)15:00~17:00
- 会場
- 独立行政法人物質・材料研究機構 千現地区 研究本館 第一会議室
〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
概要
| 講演1 |
「量子ドット-2次元電子結合系における量子ドットフローティングゲート効果」
自己形成半導体量子ドットにおいて、その電子状態、スピン状態の解明および制御が様々な方法で可能となり、最近ではその量子ドットの特性を利用した量子ドット半導体レーザー、量子ドット太陽電池、量子ドットディテクターなど開発研究が盛んに行われている。量子ドット-2次元電子結合試料においては、量子ドットフローティングゲート[1]などの研究がなされてきたが、我々は、量子ドットの電子状態、特にスピン状態とその近傍の2次元電子との相関、特に強磁場下において発現し特殊なスピン状態などが実現する量子ホール効果状態との相関を解明し新しい動作原理のデバイスを目指して研究を行ってきた。その結果、ゲート電圧の印加により量子ドットの電荷状態を制御することに成功し、それにより近傍2次元電子内に強く局在する電子を誘起すること、また2次元電子に発現する量子ホール効果状態に顕著な異常を引き起こすことなどを発見した[2]。[1] G. Yusaand H. Sakaki, Appl. Phys. Lett. 70, 345 (1997)[2] K. Takehanaet al., Phys. Soc Jpn75, 114713(2000) |
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| 講演2 |
「中性子散乱測定を利用した磁性研究粉末試料でどこまで分かるか」
中性子散乱測定は、物質の磁性を調べる研究においても強力な手法となっている。磁気励起の分散関係を直接的に決定できるなどの利点があるからである。しかしながら、そのためには通常、大きくて良質な単結晶試料が必要なので、研究対象となる物質が限定されてしまう。一方で、J-PARCも稼動し、中性子散乱の実効的なビームタイムが増えているので、より多様な物質の研究が望まれている。粉末(多結晶)試料を用いても、研究が充分可能である場合がある。本発表では、Cu3(P2O6OD)2、β-AgCuPO4、Cu2CdB2O6という3つの物質の粉末試料の中性子散乱測定の結果を紹介する(図は本研究で分かったβ-AgCuPO4のスピン系の模式図)。 |
| 講演3 |
「共焦点走査型透過電子顕微鏡法の開発」
透過型電子顕微鏡(TEM)では従来、薄膜試料の投影像が観察されるものと考えられてきた。共焦点STEMは、(S)TEM観察において深さ分解能を向上させることができ、試料の3次元構造・断層像の高分解能観察ができる可能性を有していることから注目を集めている次世代TEM技術である。我々は共焦点STEMを行うための要素技術として試料ステージ走査システムおよび円環型暗視野共焦点法の2つのオリジナルな技術を確立し、試料の断層像観察やナノ構造の3次元画像構築に成功した。収差補正されていないTEMを用いての実験であるが、深さ分解能は100nm以下を達成しており、現在はさらなる深さ分解能の向上に関する研究とともに環境セル内試料の高分解能観察などの応用に関する研究も進めている。本講演ではこれらの研究の現状について紹介する。 |