第76号

2018.01.17 発行


今号の内容

  1. 最新研究ニュース・アクセスランキング (12/13~1/14)
  2. 材料が作る日常品#4「温度を自動制御するセラミックス」
  3. 【トヨタ・パナが語るMIへの期待】 第17回 GREENシンポジウム(1/25)
  4. nano tech 2018関連イベント続々決定 (2/14~16、東京ビックサイト)
  5. 「NIMS NOW」最新号発行 『機能X』を創り出せ

1 : 最新研究ニュース・アクセスランキング (12/13~1/14)

【1】高速でき裂が完治する自己治癒セラミックスを開発 (12/21)
http://www.nims.go.jp/news/press/2017/12/201712210.html

【2】世界初、液体中の原子1つ1つの運動を観察 ! (12/15)
http://www.nims.go.jp/news/press/2017/12/201712150.html

【3】“火を消す”高性能電解液を開発 (11/28)
http://www.nims.go.jp/news/press/2017/11/201711280.html

今回1番アクセスを集めたニュースは、き裂を高速で自己治癒できるセラミックスの開発。耐熱性が高く軽量なセラミックスは、航空機エンジンに使えば、大幅な燃費向上が期待されますが、壊れやすいことが大きな壁になっています。

そこでNIMSと横国大の研究チームは、航空機エンジンが作動する1000℃において、き裂が入っても、最速1分で自己治癒するセラミックスを開発しました。
ヒントとなったのは、なんと人間の“骨”の治癒の仕組み。骨を模して、セラミックスの治癒を促進する物質をわずかに添加したところ、従来1000時間かかっていた修復が、わずか1分に短縮されました。

2 : 材料が作る日常品 #4

この季節に大活躍の温風ヒーター。
かつては金属の電熱線を使って加熱するものが主流でした。
熱くなりすぎないよう、ある温度になるとスイッチが切れるサーモスタットという装置が入っていました。

ところが今はPTCセラミックスという特別なものを使ったヒーターがあります。サーモスタットなしで、自分自身の力だけで温度を一定に保てる優れた材料です。これが小型でシンプルな暖房器具を可能にしました。
どうやって自分の温度をコントロールするんでしょうか。

新しい材料が、新しい世界を作り出す。

シリーズ第4作をどうぞ。

3 : 第17回 GREENシンポジウム開催 (1/25)

新材料の探索を高速化するマテリアルズ・インフォマティクス (MI) 、分子の反応経路探索の自動化アルゴリズムなど、材料開発を加速する新手法が次々に誕生しています。

今回のGREENシンポジウムでは、トヨタ自動車がMIにかける期待や、パナソニックによるモデリングを駆使した燃料電池の電極設計について講演いただくほか、MIによる電池材料探索の最新成果を披露するなど、エネルギー材料開発の新手法を網羅的に知る絶好の機会です。満席になる前にぜひ事前登録を !

第17回GREENシンポジウム 概要

日時 : 1月25日(木) 13:00-17:25 (交流会 17:30-19:00)
場所 : 一橋講堂 (学術総合センター2階)  千代田区一ツ橋2-1-2
言語 : 日本語
参加費 : 無料

□おもな招待講演
菅 義訓氏 (トヨタ自動車 基盤材料技術部 材料創生・解析室)
「自動車用材料開発における先端計測とマテリアルズ・インフォマティクスへの期待」

石川 潤氏 (パナソニック 水素・エネルギープロジェクト室)
「3次元構造分析とモデリングを駆使した燃料電池の新規電極設計手法」

前田 理氏 北海道大学 大学院理学研究院化学部門 教授
「反応経路自動探索プログラムGRRMとその応用 : 固体表面反応および結晶構造探索への展開を中心に」

4 : nano tech2018 (2/14-16、東京ビックサイト) 関連イベント情報

世界最大のテクノロジー総合展「nano tech2018」の開催にあわせて、NIMSはナノテクとAIの融合で生まれるイノベーションの数々から、ナノテクの世界的動向まで一挙ご紹介する3つのイベントを行います。

■2/14~2/16 10:00-17:00 東京ビックサイト 東ホール【ブース5S-16】
『nano tech2018本会場にてNIMS最新研究成果を展示』
ニオイや湿度から有害物質まで、超スマート社会「Society5.0」の実現に必須の超高感度・超小型センサ技術を多数展示。さらにプリント可能な電子回路や、市販デジカメによるX線解析など、実用化間近の技術をデモを交えながら研究者本人が丁寧にご紹介。新製品開発の種をお探しの方、必見です !
http://www.nanotechexpo.jp/main/


■2/14 13:00-17:00 東京ビッグサイト 会議棟6階607/608
《NIMS統合型材料開発・情報基盤部門(MaDIS)初のシンポジウム》
材料開発に革新をもたらすデータ科学との融合。その成功の鍵を握る高品質な材料データベース構築の現状と、データベースを使って生み出された最新成果を、世界最大の材料データベースを抱えるNIMSをはじめ、東大、NECなどこの分野をリードする国内の専門家がご紹介します。
プログラム詳細や参加登録
http://www.nims.go.jp/research/MaDIS/events/MaDIS_Symposium.html



■2/16 10:00 - 17:25 東京ビックサイト 会議棟1階レセプションホール
《第16回ナノテクノロジー総合シンポジウム》
全国の研究機関が最先端のナノテクノロジー施設・装置を共用する「ナノテクノロジープラットフォーム事業」の最新成果をご紹介。さらに、外務大臣科学技術顧問を務める岸輝雄・東大名誉教授をはじめ、全米科学財団 (NSF) のM.C.ロコ氏、タイ科学技術担当大臣のS.マイアシンシー氏らによる講演など、ナノテクに関する国内外の動向を網羅できるシンポジウムです。
プログラム詳細や参加登録
http://nanonet.mext.go.jp/japannano/2018/


5 : NIMS NOW最新号「『機能X』を創り出せ」発行

半導体、LED、トランジスタ・・・
新たな機能を持った材料の誕生は、時に社会のあり方すら変えてきました。

そして今、さらに快適な社会を目指し、人類が直面するさまざまな課題を解決するため、次に社会を変えるカギとなる機能=「機能X」を持つ材料の探求を続ける、NIMS「機能性材料研究拠点」の研究者たち。

有機・無機・金属の膨大な知見を持つ彼らが、いま創り出そうとする「機能X」とは何か。そしてその「機能X」が作り出す未来とは。NIMS NOW最新号でご覧ください。

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