第34号

2014.06.11 発行


今号の内容

(独) 物質・材料研究機構 (NIMS) より
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NIMS『使える ! メールマガジン』  第34号 2014.06.11
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1. 最新研究リリース
「燃料電池に貴金属を使わない電極の実現に向けて」
2. 高温超伝導体 (ビスマス系) の生みの親 前田弘氏 逝く

3. 映像シリーズ 先端研究所の実験装置No.1
~温度で変わる金属の強さを把握せよ シャルピー衝撃試験機~
4. 開催 !  材料フェスタin仙台 「日本が誇るマテリアルの世界」
5. 広報誌『NIMS NOW』最新号

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◆1 : 最新研究リリース ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「理論と実験により、窒化ホウ素薄膜の酸素還元触媒としての可能性を実証」
~燃料電池用酸素還元非貴金属触媒探索への新しいアプローチ~
2014.5.19

次世代自動車への応用などが期待される燃料電池。実用化への課題の一つは
電極として希少な白金に代わるものを見つけることです。
今回、NIMSと北海道大学のチームは、元々絶縁体である窒化ホウ素を金に添
加すると酸素を還元する触媒の役割を果たし、燃料電池の電極として使える可
能性があることを、理論と実験、両方のアプローチで示しました。
まだ白金に比べて触媒活性は低いですが、理論と実験を融合させることによ
り新しい触媒の材料を開発できる可能性を示したと言えます。
詳しくはこちらです。
http://www.nims.go.jp/news/press/2014/05/p201405190.html

○その他のプレスリリース
「ガラス基板上に単結晶に匹敵する品質の酸化物薄膜結晶を成長」 2014.6.4
http://www.nims.go.jp/news/press/2014/06/p201406041.html

◆2 : 高温超伝導体 (ビスマス系) の生みの親 前田弘氏 逝く

液体窒素で冷却が可能なビスマス系超伝導体を開発した前田 弘氏が去る5月
24日、この世を去りました。
超伝導現象は当初、 - 270℃前後まで冷やさないと起こりませんでした。その
ため冷却には高価な液体ヘリウムが必要でした。しかし、前田氏は、1988年金
属材料技術研究所 (現在のNIMS) でビスマス系銅酸化物を使って液体窒素の沸
点よりも約30℃高い-168℃での超伝導現象を実現させ、高温超伝導として世界
中から注目を集めました。ビスマス系材料は安価な液体窒素で冷却が可能なた
め、高温超伝導材料の実用化に向けて大きく貢献しています。
現在、前田氏が発見したビスマス系超伝導体は、リニアモーターカーの試験
走行に使われたり、2012年には東京電力が送電の実証試験を行うなど、実用化
に向け着実に歩んでいます。
前田氏に哀悼の意を表すると共に、NIMSではその意志を継いで社会に貢献す
る超伝導の研究を進めていきます。

◆3 : 映像シリーズ 先端研究所の実験装置No.1
~温度で変わる金属の強さを把握せよ シャルピー衝撃試験機~

NIMSには新材料の開発に欠かせないさまざまな実験装置があります。一般公
開などでもこうした実験設備の見学は大人気です。そこで、一般の方はもとよ
り、専門家や企業の皆さんにもNIMSの充実した設備をご覧いただくためのシリ
ーズを開始します。
本日ご紹介するのは、伝統的な装置と言っても良い「シャルピー衝撃試験機」
金属の強さを測定します。実は同じ金属でも温度によって強さが大きく変わっ
てしまうんです。タイタニック号が沈んでしまった理由と言われる現象をご覧
いただきましょう。
http://www.nims.go.jp/publicity/digital/movie/mov140611.html

◆4 : 開催 ! 材料フェスタin仙台「日本が誇るマテリアルの世界」
世界的な材料の研究機関、NIMS、産業技術総合研究所、東北大学が共同で
最先端材料研究の世界を披露する「材料フェスタ」を開催します。よりよい社
会の実現のみならず、日本の経済を守る一大産業として材料研究は科学の中で
も最重要領域です。
今回の材料フェスタは、日本再生や東北復興において材料技術が極めて大き
な役割を果たしていくというメッセージを、日本の将来を担う若手研究者や学
生に向け発信することが目的です。
NIMSなど3つの世界的材料研究機関ほか、40を超える企業、30を超える大
学や高校がブースを出展します。世界を変えたサクセスストーリーとして世界
最強磁石の開発者、注目を浴びる炭素繊維開発秘話、インフラを支える鉄鋼材
料について開発者本人による講演も予定されています。さらには、開発が進む
未来の素材についても研究者自身が夢を交えて披露します。

日本が誇るマテリアルの世界 材料フェスタin仙台
2014年7月28日 (月) ~29日 (火)
仙台国際センター

見応え充分の新材料イベント。ぜひ、お越しください。

詳細と参加事前登録はこちら。
https://unit.aist.go.jp/rp-nanomatman/zfes/

◆5 :  広報誌『NIMS NOW』最新号 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━
広報誌『NIMS NOW』リニューアル !  

NIMS NOWは、2001年にNIMSが発足してから、NIMSの今を伝える、NIMSの最新
研究動向を伝える広報誌として毎月発行を重ねてきました (2009年より年10回) 。
そのNIMS NOWが次号よりリニューアルいたします。
NIMSの研究を、より読みやすく、より詳しく。読者の「NIMSを知りたい ! 」
に応えられるよう、よりよい誌面を目指します。

リニューアル1号は宇宙関連材料の特集です。ただいま鋭意製作中 !
ご期待ください。

※NIMS NOWは、次号より発行形態が変わります。次回発行は6月末の予定で、
以降は隔月間となります。これからもNIMS NOWをよろしくお願いいたします。

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