第27号

2013.11.13 発行


今号の内容

(独) 物質・材料研究機構 (NIMS) より
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NIMS『使える ! メールマガジン』  第27号  2013.11.13
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1. 最新研究リリース
「環境を守りながら資源開発 プラスチックの高性能オイル吸着材 ! 」
2. シリーズ 鮮やか実験映像  ~大リクエストに応えて~
「走りの限界を超える ! 超伝導コースター」
3. 次世代蓄電池の最新動向がすべてわかる !
  国内トップ研究者から米国エネルギー省高官までが講演 GREENシンポ
4. 広報誌『NIMS NOW』最新号

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◆1 : 最新研究リリース ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「資源開発のための高性能オイル吸着材の開発」
~工業用高分子をナノ多孔化する新製法を発見~   2013.10.22

石油や天然ガスの採掘。現場ではオイル成分を含んだ大量の汚染水が発生し
ます。シェールオイルなど、新たな掘削方式での資源開発も盛んになり、汚染
水を安く確実に処理する方法は、環境を守るため非常に重要になっています。
今回、NIMSは安いプラスチックを使い、汚染水対策の方法を開発しました。
工業用プラスチックにナノレベルの連続した孔を無数に開け、1グラムあたり
300m2を超える大きな表面積を確保。水中のオイル成分を効率的に吸収します。

これまで、汎用的な高分子でナノレベルの微細な多孔体を作ることに成功し
た例はなく、今回のNIMSの技術によって初めて実現できたオイル吸着材です。
資源開発と環境保護の両立。NIMSは高度なナノテクで貢献していきます。

詳細はこちらです。
http://www.nims.go.jp/news/press/2013/10/p201310220.html



◆2 : シリーズ「鮮やか ! 実験映像」
~走りの限界を超える !  超伝導コースター~

先週末、東京お台場で開かれた日本最大の科学イベント「サイエンスアゴラ」
にNIMSも出展しました。用意したさまざまな装置の中で、特に人気だったのが
NIMSオリジナル「超伝導コースター」。5月に一度ご紹介しましたが、会場で、
この映像をぜひ見たいというリクエストをたくさんいただきましたので、再度
ご紹介します。

超伝導物質だけが持つ特徴的な現象で、宙に浮いた物体が磁石のレールの上
を猛スピードで駆け抜ける。大人も子どもも専門家も大興奮間違いなしの映像
がこちらです。
http://www.nims.go.jp/publicity/digital/movie/mov130508.html


と、ここまでは前回と同じですが、再掲載するにあたり、専門家や超伝導を
ご存じの大学生向けに追加コメントを1つ。 (少々専門的なので、一般の人は
飛ばしてくださいね)
通常、超伝導コースターはレールに強力なネオジム磁石を並べます。しかし
NIMSのコースターは、お手軽でコースの自由度もあるゴム磁石でできています。
弱い磁力しかないゴム磁石でジェットコースターが走るには、超伝導の知識の
ある方なら「なるほど ! 」と思う工夫が実はあるんです。
それは、スタート直後に360度ループを置いてあることです。なぜでしょう?

磁力の弱いレールで浮かせるため、超伝導体には厚さ0.5μmしかない軽い
ものを使いました。当然、浮上距離が小さく、ピンニング力も弱くなります。
ですからスタートの際、レールから外れないちょうど良い浮上距離でレールに
超伝導体をセットするには相当の練習が必要でした。
でも、超伝導コースターは、小さい子どもにも楽しんでもらいたい…。そこ
で開発者は、遠心力を使って、自動的に絶妙なピンニングをさせることを思い
ついたのです。それがスタート直後の360度ループ。これにより、小さな子ども
でも、スタート地点に超伝導体を置くだけで脱線しないコースターが完成しま
した。
このアイディアマン、実はビデオの冒頭にニヒルな表情で登場します。360度
ループの存在とともに、もう一度映像でご確認ください !


◆3 : GREENシンポジウム開催 ~次世代蓄電池への挑戦~  12月20日 (金)
参加登録開始 !

地球環境問題を抜本的に解決するため産学が連携して取り組む日本の研究拠点
GREEN (ナノ材料科学環境拠点) が、次世代蓄電池について、最新の研究成果か
ら世界的な動向まで幅広く網羅するシンポジウムを開きます。

特別講演 : 次世代蓄電池研究への期待 :
研究者としての視点と科学技術政策からの視点
東京大学大学院 橋本和仁教授

革新電池の技術課題とその可能性 ‐グリーンエネルギー社会の構築のために‐
JST次世代蓄電池加速プロジェクト総合チームリーダー
金村聖志 首都大学東京大学院教授

米国における最新動向
米国エネルギー省「エネルギー貯蔵研究ハブ」研究担当副拠点長
Dr. Nenad Markovic

持続可能な社会における蓄電池
トヨタ自動車株式会社 技術統括部 主査
岡島博司 担当部長

などなど、盛りだくさん。詳細はこちら。
http://www.nims.go.jp/GREEN/01news/event/2013/006.html


◆4 :  広報誌『NIMS NOW』最新号 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━

最新 (2013年11月) 号の特集は
「新物質設計シミュレーション手法の研究開発プロジェクト」です。
物質・材料の高精度な解析・予測と、複合的な物質・材料の示す特性・機能の
解析・予測のための理論と計算科学の手法を研究開発しているこのプロジェクト。
少し難しいと思われがちな「理論」からの研究を、出来るだけ分かりやすく紹介
します。

12月号は「話題になった2013年のNIMSプレスリリース (仮) 」特集を予定して
います。今年話題になったNIMSの研究成果を振り返ります。



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