第5号

2012.01.11 発行


今号の内容


 (独) 物質・材料研究機構 (NIMS) より
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     NIMS『使える ! メールマガジン』  第5号  2012.01.11
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──────────────〔 もくじ 〕───────────────

 1. 最新研究リリース   ~誕生 ! 軽量でフレキシブルな超伝導素材~
 2. NIMS魂 !  研究者紹介   シェリフ博士・世界の水を救いたい
 3.シリーズ 「鮮やか ! 実験映像」②
        ~だからレアアースが必要だったんです ! ~
 4. nanoがわかる !  NHK番組「nano レボリューション」 お知らせ
 5. 広報誌『NIMS NOW』最新号  
 6. お知らせ

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◆1 :  最新研究リリース ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

『フラーレンナノウィスカーの超伝導化に成功』     [12月27日]
   ~軽量でフレキシブルな超伝導素材の誕生に大きく前進~

  電気抵抗をゼロにできる超伝導物質。これまで発見されたものは、主とし
 てセラミックスや金属間化合物など、硬くもろいものや、重量の大きな材料
 に限られていました。そのため、高度な加工技術がないと電線など曲げやす
 い線に加工することができないという難点がありました。
  今回、NIMSでは従来の概念を覆し「軽くてフレキシブル」なまったく新し
 い超伝導体を作り出すことに成功しました。NIMSが超伝導化に成功したのは
 フラーレンナノウィスカーというナノサイズのカーボン素材。軽くて細長い
 ファイバー形状をしている物質です。フラーレンという炭素が60個サッカー
 ボールのように配列した球状の物質から合成されます。名前の由来は、猫の
 ひげ=ウィスカーです。
  もともと軽くてしなやかなファイバーであるフラーレンナノウィスカー。
 これに簡単な処理を行うだけで超伝導物質に変えることができます。しかも
 軽くてしなやかな特徴はそのまま保たれています。そのため、束ねて糸状に
 したり、織って布状にするなど、今後多彩な形状の超伝導物質を生み出すこ
 とが可能になると考えられるのです。しかも収率は原材料のほぼ100%。
  いったいどのような処理をするのか? 詳しくはこちらです。

   http://www.nims.go.jp/news/press/2011/12/p201112270.html

 


◆2 :  NIMS魂 !  研究者紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  シェリフ・エル・サフティ   『世界の飲み水を救いたい』

  世界には地下水がヒ素に汚染されている国が数多くあります。ヒ素と言え
 ば、和歌山の毒入りカレー事件で有名になった猛毒です。地層に含まれる天然
 の ヒ素が入り込んだ水を、そのまま飲用にせざるを得ない国がアジアや中東、
 アフリカまで広く広がっています。
  こうした国の人たちが、安全な水を確保できる技術を開発したい。その強い
 想いで研究に打ち込んでいるのがシェリフ・エル・サフティ博士です。シェリ
 フ博士はエジプトから来た研究者。日本で研究をして10年になる昨年末、
 ついにその熱意が実を結びました。
  汚染された水に、ティーバッグに詰めた除去材の粉を浸しておくだけで、
 安心な飲み水へ変えることができる。そんな技術を完成させました。用いた
 のは無数の目に見えない細かい孔のあるアルミナ。その穴の中にヒ素を選択的
 に吸着する材料を取り付けました。汚染水にこのアルミナの粉を入れるだけで、
 ヒ素を完全に吸着除去します。
  技術開発でシェリフ博士がこだわったのは2つ。簡単であること、そして色
 が変わること。大規模な設備が必要な技術では、地域の隅々にまで行き渡りま
 せん。彼が作ったのは個人が誰でも簡単に使える簡易なものでした。水をくみ
 に来た人が、小さな袋に詰めた粉を浸すだけで、自分たちの手で簡単にヒ素を
 除去できます。さらにヒ素が取り除かれたことを確認できることも忘れません
 でした。袋の中の白い粉が青く変わらなければヒ素が完全に除去された証拠で
 す。水が安全になったこと一目でわかるのです。
  ヒ素を取り除き、安心して水の飲める国にしたい。シェリフ博士の情熱で
 実現したこの技術。詳しくはこちらで。

   http://www.nims.go.jp/news/press/2012/01/p201201060.html




◆3 :  子供向け!? だけじゃない !  「鮮やか実験映像」シリーズ ② ━━━━

  『だからレアアースが必要だったんです ! 』

  前回からシリーズでお送りしている「鮮やか実験映像」シリーズ。
 2回目のテーマは磁石です。メディアでも騒がれているレアアース問題。今回は
 なぜレアアースがそんなに重要なのか直接感じていただきましょう。この映像を
 見れば、レアアースがいかに優れたものか、一目でわかります。
  日本で発明された最強の磁力をもつネオジム磁石。今や日本の技術には欠かせ
 ない存在です。パソコンがこんなに普及したのも、携帯電話がここまで小型化で
 きたのも、さらには日本が世界をリードするハイブリッド自動車や電気自動車を
 実現できたのもすべてこの強力なネオジム磁石のおかげなのです。
  何がそんなにすごいのか? ぜひこちらの映像をご覧ください。鮮やかにわか
 ります。

  http://www.nims.go.jp/publicity/digital/movie/experiment_rare-earth.html?autoplay




◆4 :  nanoがわかる !  NHK「nano レボリューション」 お知らせ ━━━━━━

   ミクロより小さいナノ。このサイズの世界を研究することで何が生まれるのか。
 人類はどんな技術を獲得できるのか。テクノロジー、最新医療、環境浄化など、
 ナノテクを利用してめざましい発展を遂げている分野を3本シリーズで紹介した
 NHKの番組が放送されました。その名も「nanoレボリューション」。
   世界中の研究機関で今、なにが行われているのか幅広く知ることができます。
 そのシリーズ1本目にNIMSが登場しました。開発が進む究極の電気配線「原子スイ
 ッチ」や、開発に成功したばかりの超小型超高感度の「膜型表面応力センサー」が
 紹介されました。見逃した方、再放送があります。ぜひどうぞ。


   1月22日 (日) 13:00~  BSプレミアム
      http://www.nhk.or.jp/co-pro/recent/20120101.html



◆5 :  広報誌『NIMS NOW』最新号 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  最新 (2012年1-2月合併) 号の特集は「ナノアーキテクトニクス : ナノシステム」
 
  WPI (世界トップレベル研究拠点プログラム) の国際ナノアーキテクトニクス
 研究拠点 (MANA) には、ナノシステム、ナノマテリアル、ナノバイオ、ナノグリー
 ンという4つの分野の研究がおこなわれています。
  そのうち、今回はナノシステムにフォーカスを当て、特集します。ナノシステム、
 また、ナノアーキテクトニクスとは何か、そこでの最新研究と共に紹介します。
  青野正和MANA拠点長のインタビューも併せてご覧ください。
 
 次号、3月号はMANAのもう一つの分野、ナノマテリアル特集。ご期待ください。
 
 ※NIMSでは毎月、広報誌『NIMS NOW』を発刊しています。
    NIMSの研究を各号ワンテーマで紹介。各分野の最新動向を知ることができる
   『NIMS NOW』は、物質・材料研究すべてのフィールドの最新辞典です。
 
  ご購読の申し込み、オンライン購読、バックナンバーはこちら。
       http://www.nims.go.jp/publicity/nimsnow/




◆6 :  お知らせ  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ●Nano tech 2012が開催されます。来場者が4万人を超え、国内外が注目する世界
    最大規模のナノテクフェア。今年もNIMSは独自ブースを開設しナノテク分野の
    研究成果を一挙に披露します。15の研究テーマの他、今年は放射性物質の除染に
    関する成果を特別展示することになっています。また、毎年好評いただいている
    ミニ講演もブース内で10テーマ行う予定です。
  
    Nono tech 2012 は2月15日 (水) ~17日 (金) 東京ビッグサイトにて


 ●NIMS研究者が「ナイスステップな研究者2011」に選定。
  毎年、科学技術への顕著な貢献をし科学技術政策上注目すべき人物が選ばれる
   「ナイスステップな研究者」のプロジェクト部門にNIMSのクリープデータシート
    プロジェクトチームが選ばれました。発電所などで使われる配管用の金属の安全
    性を40年以上にわたる長期継続試験により研究し続けている成果が評価されまし
    た。「世界一の規模と信頼性を誇るクリープ試験の継続と発電プラント等への信
  頼性向上への貢献」が選定理由です。
 
    http://www.nims.go.jp/news/archive/2011/12/hdfqf1000000j3oz.html

  これで、NIMSは2009年以来3年連続での選定となりました。今後も世の中に役立
  つ研究成果をあげるよう努力して参ります。

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