講演2 | 「高温超伝導ジョセフソン渦糸系の安定渦糸構造」 - 野々村 禎彦
- (独) 物質・材料研究機構 計算科学センター 強相関モデリンググループ
層状構造を持つ高温超伝導物質の超伝導面に平行に磁場を印可し、絶縁体層に渦糸が侵入したジョセフソン渦糸系は、渦糸フロー抵抗の振動現象やテラヘルツ領域の電磁波発振など、多様な振舞で注目されている。本講演では、これらの振舞の基礎となる、基底状態の安定渦糸構造を詳しく調べた研究を報告する。特に磁場の弱い領域では、三角格子を層状構造に合わせて回転させたさまざまな構造が現れるが、エネルギー曲面の形状を眺めると、これらの構造を統一的に理解できることがわかった。時間に余裕があれば、磁場方向を超伝導面から傾けた場合の渦糸構造の変化にも触れたい。 Y. Nonomura and X. Hu, Phys. Rev. B 74, 024504 (2006). Y. Nonomura and X. Hu, Physica C 412-414, 385 (2004). |