第8回 環境・エネルギー材料連続セミナー
高エネルギー効率のための高性能磁石 ~求められる機能と材料~
セミナースケジュール
セミナースケジュール 15:00-15:05 | 開会の挨拶 - 原田 幸明
- (独) 物質・材料研究機構 材料ラボ長
|
15:05-15:45 | 講演1 : 「持続可能な自動車社会に向けた取り組みと、永久磁石への期待」 - 岡島 博司
- トヨタ自動車 (株) 技術企画統括センター
先端・先行技術戦略室 主幹 近年、地球温暖化防止のための二酸化炭素抑制の議論が活発になっている.一方で、途上国の発展による、資源、エネルギーの消費拡大と、価格高騰が大きな問題となっている.身近なところでは原油価格の上昇により、自動車燃料の価格上昇のみならず、生活のあらゆるところで物価上昇の影響が出ている.最初のハイブリッド自動車が発売されてから10年が経過.家庭用の電源で充電可能なハイブリッド車や、電気自動車が発表され、石油の消費を画期的に削減可能な技術がもう手の届くところまできている。これらの次世代自動車に必要なキー技術となる、電池、インバータ、モータ技術と、そのモータに使用される磁石材料への期待について述べる。 |
15:45-16:25 | 講演2 : 「高性能化のための磁石材料研究開発の課題」 高速増殖炉の実用化に向けた炉心・構造材料の開発 (2) - 広沢 哲
- 日立金属 (株) NOEMAXカンパニー
磁性材料研究所 技師長 磁石材料は交通や産業用モータの高効率化のために鍵となる重要素材であり、その高性能化がさまざま観点から求められている。軽量化のためには最大磁気エネルギー積(BH)maxの向上が要求されるが,現在主流のNd-Fe-B系焼結磁石の場合、(BH)maxは既に技術的限界近くに到達している。他方、モータ用磁石では磁石温度の上昇に伴う保磁力低下を保障する目的で(BH)maxを犠牲にして保磁力を増した材料が使用されている。高保磁力化の手段には未だ改良の余地があり、それにより高保磁力材の領域では(BH)maxの改善も可能であると考えられる。本講演では、これらの観点から、高耐熱のNd-Fe-B系磁石の高性能化を主題として、材料科学的側面と今後の研究開発の課題について述べる。 |
16:25-16:30 | - 休憩
|
16:30-17:10 | 講演3 : 「Nd-Fe-B系磁石の微細構造と保磁力」 - 宝野 和博
- (独) 物質・材料研究機構 フェロー/磁性材料センター長
現在、自動車用駆動モータ応用のために重希土類元素を用いずにNd-Fe-B系磁石の保磁力向上の研究が様々なアプローチで検討されている。磁石の保磁力はその微細構造によって大きく変化するので、現状の焼結磁石ならびに開発途上にある超微細結晶粒磁石の微細構造と保磁力の因果関係の解明は、今後の磁石設計に必須である。本講演では最近我々のグループが取り組んでいる高分解能SEM, 高分解能TEM, 3次元アトムプローブによるNd-Fe-B系焼結磁石ならびに水素化脱水素反応 (HDDR) プロセスによる超微細結晶粒磁石粉の微細構造解析例を紹介する。その結果に基づき、今後重希土類元素を使わずに高保磁力磁石を開発するための微細構造因子を論ずる。 |
17:10-17:25 | フリー・ディスカッション (参加者全員で) |
17:25-17:30 | 閉会の挨拶 - 西村 睦
- (独) 物質・材料研究機構 燃料電池材料センター長/
Sustainability Cluster責任者 |
17:40-18:40 | 懇親会 |