第9回 環境・エネルギー材料連続セミナー
リサイクルとリユースのための材料 ~求められる機能と材料~
セミナースケジュール
セミナースケジュール 15:00-15:05 | 開会の挨拶 - 原田 幸明
- (独) 物質・材料研究機構 材料ラボ長
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15:05-15:45 | 講演1 : 「鉄のリサイクル・リユースに向けた不純物有効活用の可能性」 - 小林 能直 氏
- 東京工業大学大学院 理工学研究科 准教授
高騰しかつ劣質化が懸念される製鉄原料問題が深刻化するとともにCO2排出量削減が喫緊の 課題となっている昨今、国内蓄積量が十数億トンにも達するスクラップ鉄の利用、すなわち鉄のリサイ クル・リユースの重要性がますます高まっている。 鉄鋼中不純物の材料特性・プロセス阻害要因を明らかにし、新たな製造プロセスの可能性を模索する ための近年の取り組みや、不純物を組織制御、材料特性向上に有効活用するためのシーズ研究を紹介し、 積極的な鉄のリサイクル・リユースに向けた今後の考え方・方策を展望する。 |
15:45-16:25 | 講演2 : 「FRPのリサイクル技術」 - 前川 一誠 氏
- 日立化成工業 (株) 新材料応用開発研究所 リサイクル技術グループ 専任研究員
繊維強化プラスチック (FRP) は軽量、高強度、耐候性良好で、浴槽、車両、船舶などに広く利用されてきた。しかし、熱硬化性樹脂と無機物の複合材料であることから、リサイクルが困難であった。当社では、常圧、200℃以下で樹脂を分解し、繊維、充填材、分解樹脂等の各素材に分離して、FRPに再利用可能な技術を開発した。粉砕が不要、加圧も不要なため、設備が安価で、安全衛生面でも有利である。繊維は長い状態で回収でき、不織布に加工してFRPに使用する。分解樹脂は、燃料として使用可能だが、FRP用樹脂へのリサイクルを研究中である。この技術を中心にFRPリサイクルについてお話しする。 |
16:25-16:30 | - 休憩
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16:30-17:10 | 講演3 : 「易解体ねじにより資源高,希少金属再生 (都市鉱山) ,CO2低減の問題が解決できるか?」 - 吉田 一也 氏
- 東海大学 工学部 精密工学科 教授
近年、家電リサイクル法や自動車リサイクル法が施行され、資源の有効活用と環境保全に向けて官民一体となっている。しかし廃棄される家電製品や自動車は膨大な量であり、その解体作業の非経済性と不合理性が資源リサイクル作業のネックとなっている。資源リサイクルを容易にする目的で形状記憶合金ワッシャとねじを用いた新たなねじを提案し、製品を従来と同様に組立て、かつ廃棄製品となった際にある特定の温度に加熱するとワッシャの径が拡がり、自発的に解体が可能となる「易解体ねじ」を開発した。本講では、易解体ねじの製作方法、解体のメカニズム、易解体ねじの利用例、解体時間の短縮やCO2削減の環境効果について述べる。そのほか、形状記憶合金ワッシャの素材となる各種線材の引抜き加工技術、易解体ねじのワッシャ開放特性に与える要因について検討した結果についても述べる。 |
17:10-17:25 | フリー・ディスカッション (参加者全員で) |
17:25-17:30 | 閉会の挨拶 - 西村 睦
- (独) 物質・材料研究機構 燃料電池材料センター長/Sustainability Cluster責任者
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17:40-18:40 | 懇親会 |