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<電気化学測定システム>

鉄鋼および金属材料の耐食性を電気化学的に評価する装置です。
周波数応答装置を搭載しており、交流分極測定が可能です。また、直流分極、サイクリックボルタンメトリー、定電位・定電流測定をコンピュータからの指令で5チャンネル同時に操作することができます。最近では、すきま腐食試験として、再不動態化電位測定を4チャンネル同時に測定することが可能となりました。


<透過型電子顕微鏡(TEM、共用)>

透過型電子顕微鏡(transmission electron microscope: TEM)はナノオーダーからミクロオーダーまでの組織を観察する装置です。当グループでは、様々な鉄鋼材料の変形組織、相変態、析出、再結晶組織の形成過程を、実空間観察に加えて、構造解析ソフトTOCAを援用した菊池線回折を活用して解析しています。金属材料は階層構造の組織を有しており、それぞれのスケールでの組織を定量的に把握することが高機能金属材料の開発に必要です。組織の形成過程は時間変化とともに刻々と変化しますので動的な組織変化を理解することも望まれます。中性子線、X線、そして電子線といった各種粒子線を活用して、実用鉄鋼材料・モデル合金の正・逆空間での構造解析を実施し、様々な階層組織の形成過程を動的に解析し、4次元空間で組織の形成過程を理解することに取り組んでいます。



<電子線後方散乱回折装置(EBSD)>

電子線後方散乱回折(electron back scattering diffraction: EBSD)とは、走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope: SEM)に付設し、広い視野を、高分解能で方位測定する装置です。結晶方位の分布をマッピングする機能を有しており、直感的に方位の分布を理解するのに威力を発揮します。数nmの領域の方位を数十万点測定しており、広範囲の領域を1度以上の精度で方位解析できます。電磁鋼板、IF鋼の特性向上に欠かせない変形集合組織や再結晶集合組織の発達機構の解明、鉄鋼材料における高強度化、微細化のキーとなる相変態、析出時のバリアント規制則の理解、シリアルセクショニング法を併用した組織の3次元化など、広範囲に本装置を使用しています。



<双結晶作成ブリッジマン炉>
鉄鋼材料組織は複数の結晶粒で構成されており、その界面(粒界)は組織形成や特性に大きな影響を及ぼします。粒界には様々な構造がありますが、粒界における析出挙動などをより普遍的に検討するためには、予め制御された粒界における組織形成過程を調べることが有益な情報をもたらします。本双結晶炉は、予め方位制御した方位の異なる二つの種結晶と、原料となる多結晶材料の接点部分を局所的に溶解し、鋳型を移動することによって種結晶を成長させ種結晶同士が接する境界(粒界)を任意に制御するための装置です。粒子線と双結晶の活用により、組織の形成過程をより普遍的に理解することが期待されます。



<粒子衝突電気化学測定システム>

この測定システムは、微小な粒子を電解質溶液とともに
ノズルから射出 して微小電極表面に衝突させ、電極表面の不働態皮膜を破壊して、それに伴う再不働態化の電流の遷移を高精度かつ高速で測定するための自作測定システムです。この機械的に破壊した皮膜の再生に伴う電流を測定 する事により、摩耗と腐食が同時に起こるトライボコロージョン環境下での材料の表面損傷の機構を明らかにする実験を行っています。


<超高力ボルト>Urtra High Strength Bolt

現在、土木建築分野では1000MPa級(F10T)の高力ボルトによる摩擦接合が主流ですが、F20Tクラスの高力ボルトが実用化されれば、更なる接合部の省略化、あらゆる構造部位での有効性が期待できます。
本プロジェクトでは、遅れ破壊を克服した1800MPa級超高強度ボルトの創製と超高強度ボルト接合を用いた新鋼構造設計を検討しています。
耐水素割れ感受性に優れた0.6%C-2%Si-1%Cr-1%Moプ
ロトタイプ鋼のM16およびM22ボルトへの成形へ成功しま
した。
素材は、熱間鍛造による頭部形成、ネジ部成形後、調質処理を施します。
2006年3月3日より、1700MPa級超高力ボルト(M16)の
暴露実験をNIMS所内で開始しました。


<ナノインデンテーション>

ナノインデンテーション法とは、押込荷重をμNのオーダーで制御し、その時の試料への圧子の侵入深さをnmの分解能で測定する方法で、極めて微小なナノ領域の塑性硬さや弾性定数を評価する技術です。図1は装置の外観を示しています。この装置では、押込試験用の三角すいダイアモンド圧子をプローブとして用いることによって、試料表面の凸凹を映像化する走査プローブ顕微鏡(SPM)が併設されています。
図2は、ナノインデンテーション測定後の試料表面のSPM像です。多数の三角形の圧痕(くぼみ)が観察されています。このうち、比較的大きな圧痕(例えば(1)の位置)は、(2)に代表される細長い組織(幅0.5μm程度)上の圧痕よりも大きく見えます。これは(2)の部分の方が、その周辺と比較してはるかに硬い性質であることを意味しています。
図3は、(1)、(2)それぞれの測定で得られる荷重と押込深さの関係を表しています。最高荷重値で比較すると、(1)は(2)の2倍以上も深く押し込まれており、写真2の結果をより定量的に理解することができます。