強磁場共用ステーションでは固体高分解能用930MHz-NMR装置を含めて、16台の強磁場施設を共用施設として運用しています。これら強磁場施設の内、ナノテクノロジーに最も活用が期待され、電子顕微鏡との相補的な役割が期待されるNMR施設を本支援に提供します。
予定しているNMR施設は、固体高分解用として世界で最も強磁場で運転している930MHz装置、固体高分解能用500MHz、400MHz装置、広幅NMR用500MHz、270MHz装置の5台で、固体NMRに関しては世界で最も充実した施設となっています。
NMRの利点は、たとえ非晶質物質や混合物であっても、その材料の機能発現部位をナノレベルで選択的に計測し、3次元化学構造とその動的性質をピンポイントで解明できることです。従来のNMRが貢献してきた主要分野は薬品開発です。そこでは溶液状態の測定に制限されており、しかも、感度と分解能の点で特別に有利な水素と炭素だけに利用が限定されていました。930MHz-NMRなど20テスラ以上の磁場を用いれば、水素と炭素以外の元素でも高感度と高分解能を実現できます。周期律表の約60%以上を占める四極子核(核スピン量子数Ⅰの値が1よりも大きい)には実用上重要な元素が多く含まれていますが、従来は磁場が低かったためにNMRの分解能が十分に得られず分析対象ではありませんでした。四極子核の分解能を向上させる原理的に唯一の方法が強磁場を用いることです。従来は分析困難だったこれらの元素も強磁場によって初めて高分解能で測定可能になりました。
強磁場共用ステーション
強磁場共用ステーションでは、最先端の超強磁場環境下において各種構造解析・物性評価計測装置を利用した高度な分析技術によってナノ材料・ナノ構造の開発に貢献します。特に固体NMR(核磁気共鳴)装置を用いたナノ構造解析・評価に関する支援を中心に行います。
ステーション長
木戸 義勇
木戸 義勇
責任者
清水 禎
清水 禎


