NIMS Conference 2012開催概要

Structural Materials Science and Strategy for Sustainability – Back to the Basics –

持続性社会に貢献する構造材料科学 -基本原理への回帰-

日時:平成24年6月4日(月)~6日(水)、3日間
場所:つくば国際会議場エポカル 大ホール他(茨城県つくば市竹園2-20-3)
主催:独立行政法人物質・材料研究機構
参集:800名(予定)

 

開催趣旨:

 インフラや輸送機器などの社会基盤を支える金属、セラミックス、ポリマーなどの構造材料は、私たちの安全・安心で豊かな生活に無くてはならない存在です。将来に対しても大きな責任を担っており、地球規模で顕在化する環境・エネルギー・資源問題の克服に貢献しなければなりません。構造材料は使用量と経済規模が他に比べて圧倒的に大きいため、社会的な波及効果は絶大です。また、この度の東日本大震災において、想定をはるかに超える地震と津波により、東北・関東地域は未曾有の被害を受けました。そのため、構造物の信頼性の検証や確保、原子力関連施設の安全性確保等、安全・安心社会の構築がこれまで以上に重要な課題となりました。これらの社会的責任を果たすためにも、構造材料は更なる進化を遂げなければならないのです。
 一方、構造材料の研究開発の歴史は長く、蓄積された膨大な知識は人類の財産です。しかし、歴史が長いがゆえに、性能が頭打ち傾向にあるのも事実です。この状況を打破するためには、従来の延長線上の考え方から脱却し、原理原則に立ち返った革新的な指針が必要です。先人の功績に次の世代が何を積み上げるのか、今、構造材料研究は大きな岐路に立っています。

この度、物質・材料研究機構では、若手の構造材料研究者が中心となって、6月4日(月)-6日(水)の3日間、NIMS Conference 2012を開催致します。「持続性社会に貢献する構造材料科学 -基本原理への回帰-」をテーマとして、震災からの復興、構造物の信頼性の検証、省エネルギー材料、高安全材料の開発にかかわる基礎課題などについて、広く議論を交わしたいと考えています。
 NIMS Conference期間中には、構造材料の研究・開発に大きな功績のあった研究者を讃えるNIMS賞※授与式および受賞記念講演、国内外の著名研究者による基調講演をはじめ、個別課題を議論するテクニカルセッションが行われます。多数の皆様のご参加をお待ちいたしております。
(講演・討論は一部日本語で行われます)

 

プログラム概要:

 6月4日(月)NIMS賞授与式、受賞記念講演、基調講演、バンケット
 6月5日(火)テクニカルセッション、ポスターセッション
 6月6日(水)テクニカルセッション、総括講演

 

 テクニカルセッション概要:

TS-1

6/5

(Hall 300)

安心・安全を支える社会基盤構造

内藤  公喜

澤田 浩太

本セッションでは、社会基盤構造の安心・安全に焦点を当て、様々な適用分野で構造材料研究が行ってきた現状、今後の展望および最新の技術について議論する。

TS-2

6/5

(Rm.102)

過酷環境のための表面科学

秋山  英二

村上 秀之

本セッションでは、溶液中、高温、生体内などの環境中の材料の劣化と保護のための表面科学・技術に焦点を当て、それらの過酷環境下で信頼性と耐久性を示す材料の開発指針について討議する。

TS-3

6/5-6

(Hall 300)

微細組織と力学特性に関する新戦略

西村 聡之

 

様々な構造材料の組織-特に双晶・粒界などの面欠陥-とその力学的特性に関する新しいアプローチについて議論することが本セッションの目的である。招待講演では、特異な組織を作り出すための新しいプロセス、実用化にあたっての微細組織制御の重要性についての解説も予定している。

TS-4

6/5-6

(Rm.101)

材料評価解析の最先端 -現状と展望-

井 誠一郎

戸田  佳明

構造材料における微細組織評価法は近年めざましい進歩を遂げている.本セッションでは,最先端の実験的および理論的解析手法による構造材料の組織評価例と共に,実験および理論それぞれの立場を超えて今後の解析評価技術に関する展望について議論する.

TS-5

6/6

(Rm.102)

材料信頼性研究とデータベース

古谷  佳之

小野  嘉則

本セッションでは、クリープ、疲労、腐食等、材料の信頼性に関するトピックスについて議論します。ここでは、2名の招聘研究者が1時間の講演を行い、5名のNIMS研究者が40分の講演を行う予定です。なお、本セッションは日本語で開催されます。



TS-5 材料信頼性研究とデータベース                            *このセッションは日本語で行われます。

    

大会議室101

June 6, Wed

       

AM

 チェアー:小野嘉則

 09:00~09:10 [開会あいさつ]
    古谷 佳之 (物質・材料研究機構)

 09:10~10:10 [TS5-1]
 "実機使用条件下のクリープおよび疲労寿命予測"
   野中 勇 (東北大学, 日本)

 10:10~10:20  コーヒーブレイク

チェアー:小野嘉則

 10:20~11:20 [TS5-2]
 "耐候性鋼上のさび層組成の陰イオンによる変化"
  大塚 俊明 (北海道大学)

 11:20~12:00 [TS5-3]
 "材料情報ステーションに引き継がれたNIMS構造材料データシート"
  緒形 俊夫 (物質・材料研究機構)

 

 12:00~13:00 Lunch Time

 PM 

 チェアー:徐 一斌

 13:00~13:40 [TS5-4]
 "NIMSにおける長時間クリープ研究とクリープデータシート"
  木村 一弘 (物質・材料研究機構)

  13:40~14:20 [TS5-5]
 "NIMSにおけるギガサイクル疲労研究と疲労データシート"
  古谷 佳之 (物質・材料研究機構)

 14:20~14:30 コーヒーブレイク

 チェアー:徐 一斌

 14:30~15:10 [TS5-6]
 "NIMSにおける大気腐食研究と腐食データシート"
  田原 晃 (物質・材料研究機構)

  15:10~15:40 [TS5-7]
 "NIMS物質・材料データベース MatNaviの現状と将来"
  山崎 政義 (物質・材料研究機構)


協賛学会

社団法人 日本金属学会 <http://wwwsoc.nii.ac.jp/jim/>

社団法人 日本鉄鋼協会 <http://www.isij.or.jp/>

一般社団法人 日本溶射学会 <http://www.jtss.or.jp/>

社団法人 腐食防食協会 <http://www.jcorr.or.jp/>

 

社団法人 日本材料学会 <http://www.jsms.jp/>

  公益社団法人 日本セラミックス協会
  社団法人 表面技術協会