NIMS所有の赤色蛍光体特許のライセンス方式の変更について

2018.10.01


国立研究開発法人 物質・材料研究機構

NIMSは、LED用として広く用いられている赤色蛍光体に関する特許のライセンス方式を変更いたします。従来は蛍光体製造企業に対して一括してライセンスしていましたが、2018年10月1日付にて、物質/製造特許に属する特許群と、用途特許に属する特許群を分離し、それぞれの対象企業に対してライセンスをする方式に変更し契約交渉を開始いたします。

概要

国立研究開発法人物質・材料研究機構 (茨城県つくば市、理事長 : 橋本和仁、以下「NIMS」) は、LED用として広く用いられている赤色蛍光体に関する特許のライセンス方式を変更いたします。従来は蛍光体製造企業に対して一括してライセンスしていましたが、2018年10月1日付にて、物質/製造特許 (蛍光体物質及びそれを製造する特許) に属する特許群と、用途特許 (LEDデバイス等を製造する特許) に属する特許群を分離し、それぞれの対象企業に対してライセンスをする方式に変更し契約交渉を開始いたします。

今回の変更は、通称CASN、SCASN又は1113蛍光体と呼ばれる窒化物系の赤色蛍光体 (以下「S/CASN蛍光体」) に関する特許を対象としたものです。これまでの物質/製造特許と用途特許を一括してライセンスする方式では、NIMSから物質/製造特許及び用途特許をまとめて受けた特定蛍光体製造企業 (以下「特定蛍光体企業」) からS/CASN蛍光体を購入していれば、用途特許を実施する企業 (以下「デバイス等製造企業」) は直接NIMSから用途特許のライセンスを受ける必要がありませんでした。つまり、特定蛍光体企業から蛍光体を購入することに伴うNIMS用途特許の再実施権としてライセンスされておりました。ところが、このようなライセンス方式ですと、NIMSからライセンスを受けず非正規にS/CASN蛍光体を製造する企業より蛍光体を購入しデバイス等を製造している企業に対してNIMSの特許権の行使が困難でした。

このようなライセンス状況を放置すると、NIMS特許を正規にライセンスいただいている特定蛍光体企業及び再実施権を付与されているデバイス等製造企業の不利益になるばかりでなく、NIMSの研究成果の社会実装上の大きな障害を看過することになり、結果として不当に特許料収入の減少につながっていると判断いたしました。そこで、NIMS特許の広汎適正な普及のために、NIMS所有のS/CASN蛍光体特許を物質/製造特許群と用途特許群とに分離し、物質/製造特許群は引き続き従来の特定蛍光体企業向けにライセンスをし、用途特許群はこれらの特定蛍光体企業よりS/CASN蛍光体を購入していただくことを条件として新たにNIMSより直接デバイス等製造企業にライセンスする方式に変更することにいたします。

今回のライセンス方式の変更により、非正規品蛍光体製造企業のみでなく非正規品蛍光体を使用したデバイス等製造企業に対してS/CASN正規ライセンスの取得を広く呼び掛けることが可能となり、正規蛍光体及びそれを使用した正規ライセンスデバイス等をより多くの企業にご使用いただけるようになると考えております。今後もNIMSは、LED産業および蛍光体産業の健全な発展と法令遵守に貢献するために、NIMS特許権の行使を含め、適正で厳格な対応を取ってゆく所存です。

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プレスリリース中の図 : 従来のライセンス方式と新しいライセンス方式の比較



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