NIMS-CAMECA 3DAPラボの発足
国立研究開発法人 物質・材料研究機構
アメテック株式会社
NIMSとアメテック株式会社CAMECA事業部は、材料を構成する原子の分布を3次元で可視化できる3次元アトムプローブ (3DAP) 技術の啓蒙・普及活動のために、「NIMS-CAMECA 3DAPラボ」を6月26日に発足します。
概要
- 国立研究開発法人物質・材料研究機構とアメテック株式会社CAMECA事業部は、材料を構成する原子の分布を3次元で可視化できる3次元アトムプローブ (3DAP) 技術の啓蒙・普及活動のために、「NIMS-CAMECA 3DAPラボ」を6月26日に発足します。CAMECAがNIMSに最新鋭の3次元アトムプローブを設置し、ユーザーコンソーシアムを通して外部ユーザーに装置使用の機会を設けると同時に、3次元アトムプローブを企業や大学で標準的な材料解析手法として活用するための技術指導を行います。
- 3次元アトムプローブは、電子顕微鏡では分析のできない軽元素を含む全ての元素について個々の原子の同定と位置決定ができるユニークな分析装置で、さまざまな材料やデバイス中の元素分布の3次元解析に威力を発揮します。NIMSでは、これまで独自のレーザー3次元アトムプローブを開発し、世界に先駆けてセラミクスなどの絶縁体のアトムプローブ解析を成功させるなど、その応用範囲を広めるための先導的な役割を果たしてきました。しかし、3次元アトムプローブは、装置が高価格であることや、試料作製にノウハウが必要などの理由により、その普及は限定的でした。
- 今回発足する「NIMS-CAMECA 3DAPラボ」では、CAMECA社が開発した最新機種の3次元アトムプローブ(EIKOS-X)をNIMSに設置し、外部ユーザーに装置使用の機会を設けます。成果公開を前提とするNIMSとの共同研究を実施する場合には無償での利用が可能となります。また、企業で行う成果非公開の研究に対しては、コンソーシアムを通して使用料を負担して頂くことで装置利用が可能になります。さらに、3次元アトムプローブ技術の定期的な講習会に加え、専任オペレーターによる技術指導、試料作製・分析のサポートも実施し、その際、有償でNIMS所有装置 (FIB/SEM, LEAP-5000XS) の利用も可能です。
- この度の「NIMS-CAMECA 3DAPラボ」の発足により材料開発へのアトムプローブ利用への障壁が下がり、種々の先端材料の原子レベル解析が可能となり、学界、産業界への大きな貢献が期待できます。
NIMS-CAMECA 3DAPラボの装置 「レーザーアトムプローブ : CAMECA EIKOS-X」