平成29年度「秀でた利用成果」の発表について

文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム

2018.01.23


文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム
国立研究開発法人物質・材料研究機構 ナノテクノロジープラットフォームセンター

文部科学省ナノテクノロジープラットフォームは、昨年度の約3000件の利用課題の中からイノベーションに繋がることが期待できるなど特に秀逸な成果を選定、平成29年度「秀でた利用成果」6件を決定しました。最優秀賞には、次世代パワー半導体として期待される酸化ガリウム素子の大幅な低損失動作を実証した課題が選ばれました。

「秀でた利用成果」の概要

ナノテクノロジープラットフォーム事業は、文部科学省の委託により、最先端のナノテクノロジー施設・装置を有する26研究法人が、全国の産学官の研究者へ利用機会を提供、知識を共有することに拠り、イノベーションにつながる研究成果の創出を目指しています。

毎年約3000件の利用がありますが、今回38の実施機関から優れた利用成果として提出された58件の候補から、佐藤勝昭プログラムディレクターを主査とする10名からなる選定委員会の審査に拠り、6件の「秀でた利用成果」を選出しました。

選定にあたっては、①イノベーションの創出にあたって大きな影響が期待できるもの、②産業界・大学・公的機関の連携により大きな成果が得られたもの、③ナノテクノロジープラットフォームの活用・支援が大きな効果をもたらしたもの、という三つの基準をおいて厳正に審査しました。

平成29年度「秀でた利用成果」の授賞式は、2月14日正午からnanotech 2018 (会場 : 東京ビッグサイト 東4-6ホール*) 会場内の物質・材料研究機構ブース(5S-16)にて行われます。

*nanotech 2018 :
2018年2月14日~16日東京ビックサイトにて開催される世界最大規模のナノテクノロジーに関する展示会。
詳しくは公式サイト「http://www.nanotechexpo.jp/main/」をご覧ください。


平成29年度「秀でた利用成果」最優秀賞受賞課題

微細加工プラットフォーム : 物質・材料研究機構

「トレンチMOS構造を設けたGa2O3ショットキーバリアダイオード」

ユーザー氏名 :
佐々木公平 (株式会社ノベルクリスタルテクノロジー)

実施機関担当者 :
大里啓孝 (物質・材料研究機構)
津谷大樹 (物質・材料研究機構)

次世代パワー半導体として期待されている酸化ガリウム(Ga2O3)素子は、実用化で先行するSiC素子など他の材料に比較した低損失化は未だ実現できていませんでした。この度、トレンチMOS構造を設けたダイオード(SBD)をNIMS微細加工プラットフォームで試作し、既存素子よりも大幅な低損失動作を実証しました。


平成29年度「秀でた利用成果」受賞課題

(1)微細構造解析プラットフォーム : 名古屋大学

「塩ストレス下におけるイネ葉の葉緑体の三次元構造解析」

ユーザー氏名 :
山根浩二 (近畿大学農学部)
大井崇生 (名古屋大学大学院生命農学研究科)
谷口光隆 (名古屋大学大学院生命農学研究科)

実施機関担当者 :
中尾知代 (名古屋大学)
榎本早希子 (名古屋大学)
中野美恵子 (名古屋大学)
荒井重勇 (名古屋大学)
山本剛久 (名古屋大学)

(2)微細構造解析プラットフォーム : 量子科学技術研究開発機構

「Pt、PtCo触媒表面の酸素吸着に及ぼす水の影響」

ユーザー氏名 :
崔藝涛 (東京大学物性研究所)
原田慈久 (東京大学物性研究所、東京大学放射光機構)
丹羽秀治 (東京大学物性研究所、東京大学放射光機構)
畑中達也 (豊田中央研究所)
中村直樹 (トヨタ自動車)
安藤雅樹 (トヨタ自動車)
吉田利彦 (トヨタ自動車)
尾嶋正治 (東京大学物性研究所、東京大学放射光機構)

実施機関担当者 :
石井賢司 (量子科学技術研究開発機構)
松村大樹 (日本原子力研究開発機構)

(3)微細加工プラットフォーム : 東京工業大学

「量子ホールエッジチャネルにおける電荷ダイナミクス研究」

ユーザー氏名 :
橋坂昌幸 (東京工業大学理学院、NTT物性科学基礎研究所)
村木康二 (NTT物性科学基礎研究所)
藤澤利正 (東京工業大学理学院)

実施機関担当者 :
河田眞太郎 (東京工業大学)

(4)分子・物質合成プラットフォーム : 千歳科学技術大学

「海洋設備表面への付与を目的とした微細構造による環境負荷の少ない付着生物防止技術の開発」

ユーザー氏名 :
室﨑喬之 (旭川医科大学)
野方靖行 (電力中央研究所)

実施機関担当者 :
平井悠司
下村政嗣 (千歳科学技術大学)

(5)分子・物質合成プラットフォーム : 自然科学研究機構 分子科学研究所

「EI-MS/MSによるフルオロベンジル基を有する合成カンナビノイドのo-, m-, p- 位置異性体識別」

ユーザー氏名 :
村上貴哉 (石川県警察本部科学捜査研究所)
岩室嘉晃 (石川県警察本部科学捜査研究所)
石丸麗子 (石川県警察本部科学捜査研究所)
地中啓 (石川県警察本部科学捜査研究所)

実施機関担当者 :
大原三佳 (自然科学研究機構 分子科学研究所)
野田一平 (自然科学研究機構 分子科学研究所)
東林修平 (自然科学研究機構 分子科学研究所)

問い合わせ先

(文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム「秀でた利用成果」に関すること)

〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
国立研究開発法人 物質・材料研究機構 ナノテクノロジープラットフォームセンター
TEL: 029-859-2777
E-Mail: NTJ_info=nanonet.go.jp
([ = ] を [ @ ] にしてください)

(報道・広報に関すること)

国立研究開発法人 物質・材料研究機構
経営企画部門 広報室
〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
TEL: 029-859-2026
FAX: 029-859-2017
E-Mail: pressrelease=ml.nims.go.jp
([ = ] を [ @ ] にしてください)

似たキーワードを含む プレスリリース

2021.12.20
令和3年度「秀でた利用成果」の発表について (文部科学省,ナノテクノロジープラットフォーム,ナノテク,nano tech,秀でた利用成果)
2020.11.17
令和2年度「秀でた利用成果」の発表について (文部科学省,ナノテクノロジープラットフォーム,ナノテク,nano tech,秀でた利用成果)
2019.12.18
令和元年度「秀でた利用成果」の発表について (文部科学省,ナノテクノロジープラットフォーム,ナノテク,nano tech,秀でた利用成果)