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開閉可能なポケットを持つナノカーボン製のマイクロキューブ

~ポケットに入る粒子の違いも認識可能、標的薬剤の輸送・徐放など医療応用へ期待~

国立研究開発法人物質・材料研究機構

NIMSの研究チームは、各面に一つずつポケットを持つ、ナノカーボンでできたマイクロサイズのキューブ状物質を作製し、ポケットに蓋をしたり、再度あけたりすることに成功しました。

概要

  1. 国立研究開発法人物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 超分子グループのバイリ パルタ NIMSポスドク研究員、南 皓輔 NIMSポスドク研究員、ヒル ジョナサン 主席研究員、有賀 克彦 グループリーダーおよびスレスタ ロック 主任研究員からなる研究チームは、各面に一つずつポケットを持つ、ナノカーボンでできたマイクロサイズのキューブ状物質を作製し、ポケットに蓋をしたり、再度あけたりすることに成功しました。ポケット内にマイクロサイズの細胞や薬剤などを取り込んで輸送する医療応用など、さまざまな場面での応用が期待されます。
  2. 材料は、その構造に起因して様々な機能を発揮します。これまで、原子・分子レベルで構造を作り分け、作り上げた構造を操る技術が幅広く研究されており、実際に多くの機能性材料やナノシステムが報告されてきました。しかし、原子・分子のサイズ (ナノサイズ) より大きいマイクロサイズの構造制御および構造操作は、制御する原子や分子の数が飛躍的に多くなるため困難でした。
  3. 今回、本研究グループでは、炭素材料の一つであるC70フラーレンを用いて、各面に一つずつポケットをもつマイクロサイズのキューブを作製することに成功しました (図1a) 。これまで、様々なフラーレン結晶の構造制御を達成してきた「液液界面析出法 (Liquid–Liquid Interfacial Precipitation; LLIP) 法」」を改良したDynamic LLIP法により、キューブの全ての面に、一つずつ約1μmのポケット構造を作製しました。また、このキューブのポケットに蓋をしたり、その蓋を開けたり、自在に制御することが可能であることを明らかにしました (図1 b, c)。
  4. さらに、大きさがほぼ同じ2種類の粒子 (樹脂由来の粒子と炭素素材の粒子) を、作製したキューブと混合したところ、粒子の化学的性質を認識して樹脂由来の粒子は1つだけ取り込まれた一方、炭素素材の粒子は複数取り込まれることを明らかにしました。
  5. 本研究で作製したキューブのポケット構造は、マイクロ粒子の化学的性質の違いを認識することが可能であり、しかも自在に蓋を開閉できます。このポケット構造に、標的の薬剤や生体機能性材料を内包させて輸送し、蓋を開閉して徐放を制御するなどの医療応用や、汚染物質などを選択的に取り込んで環境を浄化するなどの応用が期待されます。
  6. 本研究成果は、国際学術雑誌「ACS Nano」のオンライン電子版にて平成29年7月25日に掲載されました。

「プレスリリース中の図1 : C70フラーレンのマイクロキューブの電子顕微鏡像。(a) 調製後 (b) 蓋を閉じた (c) 蓋を開けたキューブ」の画像

プレスリリース中の図1 : C70フラーレンのマイクロキューブの電子顕微鏡像。
(a) 調製後 (b) 蓋を閉じた (c) 蓋を開けたキューブ




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(研究内容に関すること)
国立研究開発法人物質・材料研究機構
国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 超分子グループ
グループリーダー
有賀 克彦
TEL: 029-860-4597
E-Mail: ARIGA.Katsuhiko=nims.go.jp
([ = ] を [ @ ] にしてください)
国立研究開発法人物質・材料研究機構
国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 超分子グループ
主任研究員
Lok Kumar Shrestha (※英語対応のみ)
TEL: 029-860-4809
E-Mail: SHRESTHA.Lokkumar=nims.go.jp
([ = ] を [ @ ] にしてください)
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国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 超分子グループ
NIMSポスドク研究員
南 皓輔
TEL: 029-851-3354 (内線8456)
E-Mail: MINAMI.Kosuke=nims.go.jp
([ = ] を [ @ ] にしてください)
(報道・広報に関すること)
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FAX : 029-859-2017
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