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高い衝撃吸収力を持つマグネシウム合金の開発

~蛇腹状に変形可能となり実現 軽量で加工がしやすく自動車などへの応用に期待~

国立研究開発法人物質・材料研究機構

NIMSの研究チームは、室温で、鍵盤アコーディオンのような蛇腹状に変形可能なマグネシウム合金の開発に成功しました。

概要

  1. 国立研究開発法人物質・材料研究機構 構造材料研究拠点の染川英俊グループリーダーは、室温で、鍵盤アコーディオンのような蛇腹状に変形可能なマグネシウム合金の開発に成功しました。軽量かつ安全性の高い金属材料として、自動車などの軽量化に貢献することが期待されます。
  2. マグネシウムやマグネシウム合金は、実用金属材料の中で最も軽く、自動車や鉄道車両などを軽量化するための材料として注目されています。しかし、室温では、大きな力 (ちから) を加えてもわずかに塑性変形するだけで、瞬時に壊れてしまいます。そのため、安全上、自動車などの部材としては使いづらいことや、複雑な形状に加工できない、などの問題がありました。
  3. 今回、研究チームは、極微量のマンガンを添加したマグネシウム合金を開発し、200℃程度で「ところてん」のように材料を押し出して加工しました。この開発材を使って、室温で大きな力を加えた際の変化を、市販のマグネシウム合金と比較したところ、市販材は斜めにき裂が入り、いきなり壊れてしまいますが、開発材は急には壊れず、蛇腹状 (および樽状) に変形できることが分かりました (下図) 。この結果は、力を加えても、クッションのようにエネルギーを吸収することで破壊が起こりにくいことを示唆しています。実際に、開発材の破壊に対する吸収エネルギーを調べたところ、既存材に比べて3倍以上優れていました。これらの現象は、押出加工によって小さくなった結晶粒の間にマンガンが集まって、結晶粒が互いに滑りあう粒界すべりが促進されて起こることが分かりました。
  4. 色々な方向から力を加えても、瞬時に破壊に至らず、変形しやすくなることから、自動車や車いす、鉄道車輛の座席、自転車のフレームなどの軽量化が期待できます。今後この成果をもとに、安心・安全を確保するための衝撃吸収マグネシウム合金や、室温で複雑な形状に加工できるマグネシウム合金としての応用を目指していきます。
  5. 本研究成果は、日本金属学会欧文誌「Materials Transaction」のオンラインで早期公開 (2017年5月26日0時) され、2017年6月25日発行号 (Vol. 58, Issue 7) にて掲載されます。

「プレスリリースの図1 : 円筒形試験片を用いた場合の圧縮試験後の外観写真 (既存材は、上部でき裂を形成していますが、開発材は、蛇腹状に変形できることがわかります。)」の画像

プレスリリースの図1 : 円筒形試験片を用いた場合の圧縮試験後の外観写真 (既存材は、上部でき裂を形成していますが、開発材は、蛇腹状に変形できることがわかります。)




本件に関するお問い合わせ先

(研究内容に関すること)
国立研究開発法人物質・材料研究機構
構造材料研究拠点
基盤技術分野 軽金属材料創製グループ
グループリーダー
染川英俊 (そめかわ ひでとし)
E-Mail: SOMEKAWA.Hidetoshi=nims.go.jp
([ = ] を [ @ ] にしてください)
(不在時の担当)
国立研究開発法人物質・材料研究機構
構造材料研究拠点 基盤技術分野 塑性加工プロセスグループ
グループリーダー
井上忠信 (いのうえ ただのぶ)
TEL: 029-859-2148
E-Mail: kazuyuki=rs.kagu.tus.ac.jp
([ = ] を [ @ ] にしてください)
(報道・広報に関すること)
国立研究開発法人 物質・材料研究機構
経営企画部門 広報室
〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
TEL: 029-859-2026
FAX: 029-859-2017
E-Mail: pressrelease=ml.nims.go.jp
([ = ] を [ @ ] にしてください)

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TEL.029-859-2000 (代表)
FAX.029-859-2029