中国特許復審委員会が、三菱化学と物質・材料研究機構の赤色蛍光体特許に対する中国Shield社の請求を退け、特許の有効性を認める

2016.04.21


三菱化学株式会社 (MCC)
国立研究開発法人物質・材料研究機構 (NIMS)

MCCとNIMSが共有する、LED用として広く用いられる赤色蛍光体に関する中国特許3件について、中国の煙台希爾徳新材料有限公司(以下「Shield社」)が2015年7月2日付で特許復審委員会に請求していた無効審判において、同委員会がShield社の主張を全面的に退けて本特許の有効性を認め、2016年4月7日付で審査決定書を受領したことをお知らせいたします。

概要

三菱化学株式会社(本社 : 東京都千代田区、社長 : 石塚博昭、以下「MCC」)と国立研究開発法人物質・材料研究機構(茨城県つくば市、理事長 : 橋本和仁、以下「NIMS」)は、MCCとNIMSが共有する、LED用として広く用いられる赤色蛍光体に関する中国特許3件(中国特許第ZL200480040967.7号、第ZL200710199440.4号および第ZL201110066517.7号、以下「本特許」)について、中国の煙台希爾徳新材料有限公司(英語名 : Yantai Shield Advanced Materials Co.,Ltd.、以下「Shield社」)が2015年7月2日付で特許復審委員会に請求していた無効審判において、同委員会がShield社の主張を全面的に退けて本特許の有効性を認め、2016年4月7日付で審査決定書を受領したことをお知らせいたします。

本特許は、通称CASN、SCASN又は1113蛍光体と呼ばれる窒化物系の赤色蛍光体およびそれを用いたLED、照明器具やLCDバックライト等を広くカバーする基本特許です。CASNおよびSCASN蛍光体は、高い輝度と信頼性からLED用として最も広く使用されている赤色蛍光体であり、当社が製造販売している当該赤色蛍光体は、LEDメーカー各社より多くの支持、評価を頂いているものです。

なお、MCCは2015年1月23日付で、Shield社が本特許を侵害しているとして、中国における蛍光体製品の生産および販売等の侵害行為の差し止めと損害賠償を求める訴訟を深圳(セン)市中級人民法院に提起しています。この特許侵害訴訟は現在審理中ですが、今回、本特許の有効性が特許復審委員会により認められていることから、今後の同訴訟の迅速な進行が期待されます。

今回の決定は、長年中国で積極的に投資、事業展開を行ってきたMCCにとって重要な知的財産の有効性が法により改めて認められたもので、これによりMCCは引き続き蛍光体産業の健全な発展と秩序維持に貢献できると考えております。今後も、他社が当社特許を侵害する製品を実施するようなことがあれば、MCCはこれを看過することなく、適正な対応を取る所存です。


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