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幹細胞の分化を制御する“マトリックス”材料を開発

再生医療で目的の臓器へ誘導制御するメカニズム解明に貢献

独立行政法人物質・材料研究機構

NIMS 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点の生体組織再生材料ユニットは、再生医療で重要な役割を果たす幹細胞の分化・誘導を制御できるマトリックス材料の開発に成功した。

概要

  1. 独立行政法人 物質・材料研究機構 (理事長 : 潮田資勝) 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 (拠点長 : 青野正和) の生体組織再生材料ユニット (ユニット長 : 陳 国平) は、再生医療で重要な役割を果たす幹細胞の分化・誘導を制御できるマトリックス材料の開発に成功した。
  2. 再生医療を実現化するためには、幹細胞を特定の組織細胞に分化させ、望みどおりの組織や臓器を再生して、病気や欠損を治療することが必要である。その際に、最も重要となるのが幹細胞の分化を制御する技術である。その一つとして、生体内で細胞を取り囲み、幹細胞の分化に影響を与える「細胞外マトリックス」の役割に注目が集まっている。しかし細胞外マトリックスは、幹細胞が分化する進行段階に応じてさまざまなものが複雑に産生されるため、これまでは幹細胞の分化段階に応じて変化するマトリックス材料を人工的に作製することができなかった。
  3. 今回の研究では、幹細胞が分化していく際に変化する細胞外マトリックスを模倣した2つのマトリックス材料を人工的に作成することに成功した。1つは幹細胞を骨に分化させる「骨分化模倣型マトリックス」。もう1つは脂肪細胞に分化させる「脂肪分化模倣型マトリックス」である。さらに開発した2つの「組織分化模倣型マトリックス」を使って、幹細胞を骨・脂肪それぞれ狙った方へ分化させることにも成功した。この研究により、間葉系幹細胞が骨または脂肪どちらか一方へと分化するバランス調節において、細胞外マトリックスが重要な役割を果たしていることを明らかにした。
  4. 今後、再生医療において万能性を持つiPS細胞やES細胞、幹細胞を目的の組織に分化させる際に、細胞外マトリックスが果たす役割を解明する研究において重要な役割を果たすと期待される。また本材料は、骨分化と脂肪分化のバランス不全によって引き起こされる骨粗しょう症の疾患メカニズム解明にも有用と考えられる。
  5. 本研究成果は、学術誌Biomaterials (バイオマテリアルズ) のオンライン電子版に近く公開される予定である。

「幹細胞が分化する際の細胞外マトリックスを模倣した「組織分化模倣型マトリックス」の作製」の画像

幹細胞が分化する際の細胞外マトリックスを模倣した「組織分化模倣型マトリックス」の作製




お問い合わせ先

研究内容に関すること
独立行政法人物質・材料研究機構
国際ナノアーキテクトニクス研究拠点
生体組織再生材料ユニット
主任研究者 陳 国平 (ちん こくへい)
TEL : 029-860-4496
E-Mail: Guoping.CHEN=nims.go.jp
([ = ] を [ @ ] にしてください)
報道担当
独立行政法人物質・材料研究機構 
企画部門広報室
〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
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FAX: 029-859-2017

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