コンビナトリアル装置の製造・販売、材料ライブラリー提供サービス及び知財戦略の会社設立

物質・材料研究機構 (NIMS) 認定ベンチャー

2008.02.14


独立行政法人物質・材料研究機構

NIMSは平成19年12月26日にNIMSが支援を行う「NIMSベンチャー企業」として、株式会社コメットを認定しました。

概要

独立行政法人物質・材料研究機構 (理事長 : 岸 輝雄) は、平成19年12月26日、当機構が支援を行う「NIMSベンチャー企業」として、株式会社コメット (代表取締役社長 大隅 規由、代表取締役 清水 政義 本社 : 茨城県つくば市、平成19年12月26日設立) を認定いたしました。

物質・材料研究機構が長年にわたる研究で蓄積・開発した高スループットコンビナトリアルマテリアル技術に関わるバルク生成装置・薄膜形成装置及び材料評価装置をメインにして、物質・材料研究機構の技術を世界に広めることが株式会社コメットの事業ミッションです。特に、東京工業大学・鯉沼秀臣現名誉教授をプロジェクトリーダとして行ってきた学独連携先導研究「コンビナトリアル材料科学の創製と先端産業への展開 (COMET) 」やその他関連研究などによって得られた研究成果の一部が、今回の移転技術の中に利用されています。

株式会社コメットは、物質・材料研究機構並木地区に本社を置き、事業を展開します。なお、平成20年2月13日に開催される株主総会において、

役員 : 以下4名

代表取締役社長
大隅 規由 (おおすみ のりよし)
代表取締役
清水 政義 (しみず まさよし)
取締役
東堤 秀明 (ひがしつつみ ひであき)
取締役 (新任)
井上 悟 (いのうえ さとる)

技術マネージメント (新任)

CTO (バルク)
井上 悟 (いのうえ さとる)
CTO (薄膜)
知京 豊裕 (ちきょう とよひろ)
CIO
川崎 雅司 (かわさき まさし)
の体制を承認し、その活動を開始いたします。

株式会社コメットの概要

株式会社コメットの事業内容

人類が直面する環境・エネルギー・資源の問題を解決するためのソリューションとして、新しい機能性材料は大いに可能性を秘めており、様々な分野で、研究技術開発が活発に行なわれています。株式会社コメットは、これらの新機能性材料の発見・開発に関して、NIMSが長年にわたる研究で蓄積・開発した高スループットコンビナトリアルマテリアル技術に関わるバルク生成装置・薄膜形成装置及び材料評価装置をメインにして、 (1) 新しい材料開発に関わる知を先端産業に流動化し、コンサルティングと材料ライブラリーを提供することを主たるビジネスとし、 (2) 新しい材料を研究開発し、製造・販売すること、 (3) コンビナトリアル装置を設計・製造・販売することを通じて、物質・材料研究機構のもつ技術を世界に広めることを目的としています。これらの活動を通じて、創造・蓄積された技術やノウハウとして形式知化された知的財産を、世の中に広く流通することによって、持続可能なビジネスを創造し、世界の材料開発のリーダと認知されることを目指します。

創業の目的・意義

核となるコンビナトリアル技術は世界のトップレベルのものであり、競争優位性があります。本技術によって、材料の探索が極めて高速に行うことができるので、材料探索の分野の生産性を格段に向上することができ、先端産業のさらなる競争力向上、発展に貢献できると考えています。ここでは材料ライブラリー提供と知的財産の流動化という新しい未来志向のビジネスモデルも追究していこうと考えており、技術のみでなく、ビジネスモデルに関しても新規性のある事業を展開することができると考えております。

株式会社コメットは、機能性材料の分野で長い経験と知識を有する優れた研究・技術陣と経営陣が集まって創業した会社であり、国際競争力もある会社です。

また、エネルギー・環境・レアメタル等、今後の地球規模で直面する課題に、新機能性材料という視点でソリューションを提供する会社でもあり、事業の社会への貢献も目指しています。

製品・サービス

1) 製品

 コンビナトリアル技術は、新機能性材料の発見・開発に関して、超ハイスループット (高速・並列) の材料合成を可能にします。具体的には、数種類の材料に関して、ガラスのようなバルクまたは酸化物や半導体の薄膜を、連続的に異なる組成分布で成長できる技術であります。これによって、現在まで、新ガラス材料の開発、酸化亜鉛 (ZnO) の発光デバイス開発や高誘電体薄膜材料開発などで高い実績を有しており、極めて、材料の有効領域の発見が短時間で達成できるというメリットがあります。

このコンビナトリアルの概念を実際に実現した製品群としては、COMBIT (ガラス・アモルファス材料) 、コンビPLD、コンビスパッタ等があります。

2) サービス

 材料開発に関するコンサルティングと材料ライブラリーも提供します。材料開発全般に対して知識やデータを蓄積しているNIMS発ベンチャーだからこそできるサービスであると考えます。また、NIMSの所有する特定の知的財産を再実施許諾して、株式会社コメットの製造・販売力のみに制約されることなく、NIMSの技術を世界に広めることができます。


市場ニーズ

コンビナトリアル化学に関する世界市場規模は2011年までに11兆円と予想され (Freedoria社調査) 、国内でも数千億円~数兆円の規模まで成長するとされています。また、事前調査では半導体、自動車など基幹産業ではこれまでの材料に替わる新材料の開発が必要となっており、その高速な解決が求められています。しかし、まとまった材料データや新発想の材料開発に関してコンサルティングを行う研究機関は国内には多くありません。また、開発に際してもスピードが求められており、コンビナトリアルはそのソリューションを提供する唯一の手段でもあると考えられます。 さらに、コンビナトリアル材料開発はこれまでのコンビナトリアル化学的な発想から薄膜コンビナトリアル材料開発へとシフトしつつあります (Intermolecular社の登場など) 。薄膜コンビナトリアルで技術的優位性と先進性をもつ株式会社コメットのコンビナトリアル合成装置はこれらの市場からのニーズに応えられる性能と実績を有しており、市場価値は高いと思われます。

株式会社コメット

  1. 所在地
    本社
    茨城県つくば市並木1丁目1番
    独立行政法人物質・材料研究機構内
    連絡先
    電話 : 029-855-8055
    FAX : 029-855-8056
    事業所
    川崎リサーチセンター : 神奈川県川崎市幸区小倉308-10
    KBIC新産業創造センター内
  2. 役員 : 以下4名
    代表取締役社長
    大隅 規由 (おおすみ のりよし)
    代表取締役
    清水 政義 (しみず まさよし)
    取締役
    東堤 秀明 (ひがしつつみ ひであき)
    取締役 (新任)
    井上 悟  (いのうえ さとる)
  3. 技術マネージメント
    CTO (バルク)
    井上 悟  (いのうえ さとる)
    CTO (薄膜)
    知京 豊裕 (ちきょう とよひろ)
    CIO
    川崎 雅司 (かわさき まさし)
    技術顧問
    鯉沼 秀臣 (こいぬま ひでおみ) その他数人
  4. 従業員数   若干名
  5. 設立年月日 2007年12月26日
  6. 事業内容   新材料及び装置の研究開発・製造・販売
  7. 資本金    2,100万円 (平成20年2月)

「株式会社コメットのホームページ画面」の画像

株式会社コメットのホームページ画面



お問い合わせ先

事業内容に関すること

独立行政法人物質・材料研究機構
ナノセラミックスセンター
機能性ガラスグループ
井上 悟 (いのうえ さとる)
TEL: 029-860-4347
FAX: 029-854-9060
E-Mail: INOUR.Satoru=nims.go.jp
([ = ] を [ @ ] にしてください)

報道担当

独立行政法人物質・材料研究機構 
広報室
〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
TEL: 029-859-2026
FAX:029-859-2017
東京電波株式会社
担当 : 佐藤 充
TEL : 03-3751-6171 (代)