北海道曹達が基材の開発・製造を担当し、物質・材料研究機構と都神経研が各種細胞の培養実験、プライマリーセルが培養キットにして製品化するための評価を行い、ノーステック財団が事務局を務めるという産学官連携の体制で研究開発を進めてきました。
この結果、
- 特別な処理が不要で取り扱いの容易な細胞培養基材の開発に成功。
- 開発した細胞培養基材は、既存製品よりも神経細胞の接着・成長が良好で、活発な神経の伸長が見られる。
- 特に脂肪細胞は、長期間の接着が可能となり、脂肪細胞の培養に有効であることからメタボリック関連の研究にも応用の可能性がある。
- 既存製品では培養がむずかしい後根神経節移植片の培養が可能。
という既存製品を上回る成果を得ることができました。
その一例として、神経細胞では一般的な細胞だけでなく、比較的培養の難しいとされる成体マウス後根神経節移植片でも良好に培養することができ、その性能は、類似の機能性培養基材であるコラーゲンタイプIやポリ-L-リジンをコートしたものに比べ、後根神経節ニューロンの突起伸長が非常に良好でした。
また、脂肪蓄積が進むと細胞が剥離しやすいラット初代内臓脂肪細胞の培養において、脂肪蓄積後も長期間培養することに成功するとともに、基材への細胞接着も良好でした。
そこで、本基材の有効性を知って頂く為に、医療・バイオ分野の研究者、医薬・化粧品メーカー、試験研究機関など多くの方々に、本基材のサンプルを以下の条件で無償提供することにいたしました。