持続可能な資源利用には資源使用総量の1/8化が必要

資源消費の将来予測から持続可能な資源利用のあり方を量的に示す

2007.07.06


独立行政法人物質・材料研究機構

NIMS材料ラボ長は、これまでの金属使用量と経済成長の関連の解析をもとに、持続可能な資源利用の使用量レベルを推定したところ、一人当たりの天然採掘の物質総量を、現在の日本レベルの1/8にしていく必要があることを示した。

概要

  1. 独立行政法人物質・材料研究機構 (理事長 : 岸輝雄) 、材料ラボの原田幸明ラボ長は、危惧されている将来の金属資源の利用に対して、これまでの金属の使用量と経済成長の関連の解析をもとに、持続可能な資源利用が可能になるための資源の使用量のレベルを推定した。その結果、持続可能な資源利用には、一人当たりの天然から採掘されている物質総量を、現在の日本のレベルの1/8にしていく必要があることが示された。
  2. 推定計算には、製品中に使用される精製された金属の量に代わって、採掘の場で実際に掘削される天然資源の量を現す関与物質総量もしくはエコロジカル・リュックサックと呼ばれる資源量が使われた。現在の一人当たりの関与物質総量は年間一人当たり約18トンであるが、2050年には世界の各国がその1/8である年間一人当たり約2.3トンにしていく必要がある。
  3. 関与物質総量の低減には、製品として使用されている金属の量を効率的に削減していくだけでなく、エコロジカル・リュックサックの値の大きな金属から値の小さな金属への転換・代替が求められており、特に電子材料では重要である。
  4. この結果は、7月9日からロンドンで行なわれる「第八回エコマテリアル国際会議」および、同12日のマテリアル・セキュリティに関する第二回日英ワークショップで発表され、また、10月30日から3日間の予定で石垣島で開催される「持続可能なエネルギーと資源の国際会議」(主催:物質・材料研究機構燃料電池センター、エコマテリアル・フォーラム)においても議論される。

「プレス資料中の図3: 累積関与物質総量緑のラインがGDPとの関係より算定されたもの。棒グラフは金属毎の積み上げ、赤の線は現有埋蔵量に相当する関与物質総量の値であり、2050年にはそれを突破することが予想される」の画像

プレス資料中の図3: 累積関与物質総量
緑のラインがGDPとの関係より算定されたもの。棒グラフは金属毎の積み上げ、赤の線は現有埋蔵量に相当する関与物質総量の値であり、2050年にはそれを突破することが予想される



*改訂の内容について

本プレス発表当時の資料中、3ページ目「成果の内容」の「1.資源使用総量の把 握」の説明分および「図1 資源利用総量の推移」のキャプションにおいて、 数値の表記が「38億トン」「56億トン」となっている箇所は、それぞれ「3.8億 トン」「5.6億トン」の誤りであり、改訂版にて訂正しております。

第八回エコマテリアル国際会議および「持続可能なエネルギーと資源の国際会議 : International Symposium on Sustainable Energy & Materials」関連

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