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NMR用装置の設計・製造・販売の会社設立

物質・材料研究機構 (NIMS) 認定ベンチャー

独立行政法人物質・材料研究機構

NIMSは平成18年11月6日に、NIMSが支援を行う「NIMSベンチャー企業」として、株式会社プローブ工房を認定しました。

概要

独立行政法人物質・材料研究機構 (理事長 岸 輝雄) は、平成18年11月6日、当機構が支援を行う「NIMSベンチャー企業」として、株式会社プローブ工房 (社長 藤戸 洋子、本社 東京都羽村市、本年8月22日設立) を認定しました。

NIMSが長年にわたる研究で蓄積した固体NMR (核磁気共鳴法) に関する装置開発の技術を移転し、製品化することが狙いです。特に、文科省・科学技術振興調整費「重要課題解決型研究等の推進」制度のH16~18年度実施課題としてNIMSの清水 禎 強磁場NMRグループ長が中心となって行ってきた「新機能材料開発に資する強磁場固体NMR」プロジェクトやその他関連研究などによって得られた研究成果の一部が、今回の移転技術の中に利用されています。清水グループ長は、株式会社プローブ工房の技術顧問として就任し、技術的な助言等を行います。

プローブ工房では、当面のあいだ、NIMS内につくば事業所を置き、そこで設計と製造を行う予定です。

株式会社プローブ工房の概要

事業内容

事業内容は、固体NMRという分析装置の中で信号検出器として使われている器具の開発と製造です。新規開発の場合には設計と製造を、また既存品に対する改造も行います。この信号検出器は専門家の間では通常、プローブと呼ばれています。プローブ (図1) は、信号検出用コイルと検出感度調整用コンデンサーなどを含むアナログ方式の高周波回路の部分と、測定用試料を空中に浮遊させたまま音速に近い速度で高速回転させるタービンの部分からなっています。これらの全ての構成要素がプローブ工房の事業対象です。

「図1 : プローブ (信号検出器) の例 写真は (株) プローブ工房の製品という訳ではありませんが、全体の外観や基本的な構成要素は (株) プローブ工房の製品とほぼ同等です。」の画像

図1 : プローブ (信号検出器) の例 写真は (株) プローブ工房の製品という訳ではありませんが、全体の外観や基本的な構成要素は (株) プローブ工房の製品とほぼ同等です。



創業の目的・意義

固体NMR装置は国内外複数の既存メーカーが製造販売しています。プローブもそれらのメーカーが汎用品を量産しています。しかし、物質・材料の研究範囲は非常に広いため、汎用品では仕様や性能の点で制約があり、全ての技術的要求をカバーすることはできません。特に最先端の研究であるほど、その傾向は顕著です。プローブ工房の主な事業内容は、顧客の要求に合わせた特殊仕様のプローブを設計・製作することです。主な顧客は大学や官民研究所における研究者で、そこでの研究対象は、ポリマーなどの有機材料、触媒などの無機材料、膜タンパクなどの生体物質などにおけるナノレベルの構造と機能の解明です。カスタム仕様の特殊プローブの提供によって、これらの最先端研究を支えることがプローブ工房の狙いです。

製品の技術的側面

  1. 1本のプローブ中に特殊仕様のコンデンサーが4~10個と特殊仕様のコイルが1~4個含まれています。プローブに必要な第一義的技術は、これらの回路素子を最適化させる技術です。プローブは高周波 (最高1GHz) 、高耐圧 (最高2kW) 、高Q値などの電気回路的条件を非常に限られた空間の中で同時に満たす必要が有りますが、お互いに矛盾する条件のため、最適値を探すには豊富な経験と技術力が必要です。
  2. 作業としては、回路素子を実装するための骨組み (金属や樹脂など) を旋盤やフライス盤などの工作機械で作製し、そこにコンデンサーやコイルなどの回路素子 (既製品および手作り品) をハンダコテやネジ止めなどの方法によって組み込んでいきます。実装された回路素子は、3次元的な位置関係に応じて素子同士がお互いに干渉する不可抗力が働くために、設計図とは異なる動作をします。オシロスコープなどの計測機器を駆使しながら、このずれを修正し設計値に近づけます。
  3. タービンの回転速度は速ければ速いほど高精度な分析が可能となるので、タービンには常に高速化の要求があります。固体NMRのタービンは、実用化されているあらゆる種類のタービンの中で最も高速で回転 (10~80kHz) させているタービンなので、最先端の技術を開発する必要があります。タービンとその中に入れる試料管は特殊樹脂とセラミックによって作られています。樹脂部分の加工は旋盤やフライス盤などの工作機械によって行います。セラミック部分は専門メーカーに外注します。タービンと試料管は消耗品ですが、一式が10万円以上の高額なため、全品検査によって品質管理を行う必要があり、作業にはかなりの時間がかかります。

株式会社プローブ工房

  1. 所在地
    本社
    東京都羽村市川崎1-7-17
    事業所
    つくば事業所: 茨城県つくば市桜3-13 (独) 物質・材料研究機構 第2NMR棟102号室
    連絡先
    TEL: 042-555-2064
  2. 役員 : 以下2名
    代表取締役
    藤戸 洋子 (ふじと ようこ)
    取締役
    藤戸 輝昭 (ふじと てるあき)
  3. 従業員数   アルバイト若干名
  4. 設立年月日 2006年8月22日
  5. 事業内容    NMR信号検出器の設計、製作、販売、納入、メンテナンス
  6. 資本金    100万円


お問い合わせ先

報道担当
独立行政法人物質・材料研究機構 
広報室
〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
TEL: 029-859-2026
FAX:029-859-2017
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