最後の全体討議では、今回の招待講演者に加え第1回シンポジウムで御講演いただいた関連企業の方々および当機構の岸輝雄顧問から、今回紹介した拠点の目指すべき姿等に対して、以下の忌憚ない御意見や期待を頂きました。
・国研の意義が時代と共に変化している。産との役割分担を明確にした上でより一層共生すべきである。
・ここで社会実装や実用化は民間が責任を持つので、国研には基礎・基盤で力を発揮して欲しい。
・国研に期待する課題は、既存材料の損傷機構や予寿命予測などじっくりと腰を落ち着けて取り組むべき領域だ。
・さらには、接合や接着を含めた既存材料の最適組み合わせの方向性を提示して欲しい。
・拠点が産学官のプラットフォームとして、具体的な国家プロジェクトを提案すべきである。
・生産性向上など現場の問題を産学官で共有し、議論できる場を作って欲しい。
・さらには未来を展望するため、拠点がハブとして産学官一人一人の能力を高める場ともなって欲しい。
・なぜならばイノベーションに一番大事な要素は、個人研究にこそあるからだ。
・我が国の若者の目が輝く場を、大学と国研が一緒になって実施例としてまず作ろう。
以上を持って第2回のシンポジウムを一端、休会し、その後は3月に竣工した先進構造材料研究棟を一般公開して参加された皆様に見学頂きました。会場を埋め尽くした多くの参加者は皆様、最後まで熱心に聞き入っておられるとともに、新しい研究棟およびそこに導入された設備群のみならず拠点関係研究者によるシーズ研究説明も御覧頂き、改めて拠点に対する関心の高さが示されました。