授業は、「資源問題から地球環境問題を考え、その課題解決事例を考えてみよう」と題され、1972年に発行された『成長の限界』に示された未来予測の意味を一緒に考えることから始められました。2000年 (=循環型社会元年) に制定された循環型社会形成推進基本法や、その後整備された個別製品のリサイクル法の実際と課題、資源問題や環境問題を考え・判断するために必要となる基準としての「ものさし」の必要性を理解し、3gのプラチナ製指輪と、700kgの鋼板製自動車車体が地球環境にとっては同程度の重さであることなどを紹介しました。
座学ではありましたが、地球を直径1mの球体とすると、資源を含めた生活圏 (地殻) の厚さが0.5~3mmであるとの俯瞰や、人類が埋蔵量の数倍もの資源 (金や銀) を掘り出してしまっていること、それらは手元にある携帯電話にも使われていること、など資源問題を実感できる話に熱心に聞き入っていました。
授業では、問題解決は人類の課題であり、将来に向けて、身の回りにありふれた元素だけで透明で導電性を持つ機能材料を合成できたことなど、文部科学省が進めている「元素戦略」の最先端事例にも触れ、生徒達には日本の科学技術が夢のある将来を構築できる可能性を学んでもらう貴重な機会となりました。