第5回目となる今回は、ハンガリー大統領、欧州委員会、UNESCO、ICSUの後援のもと「
The Changing Landscape of Science (今日の科学を取り巻く変化) 」をテーマに開催され、日本からはIUPAP (国際純粋・応用物理学連合) の会長を兼任し、ICSUとの関係も深いNIMSの潮田理事長ら数名が招待を受けて参加しました。毎回、数多くの参加者が集うWSFですが、今回も400名近くの参加者があり、現代の科学進歩におけるさまざまな側面に焦点を当てて議論が交わされ、潮田理事長も3日間の会議を通して、各機関の要人と様々な意見交換を行いました。
また期間中には、「
Declaration of the Budapest World Science Forum 2011 on a New Era of Global Science (新時代のグローバルサイエンスにおける「ブタペスト世界科学フォーラム」宣言) 」が採択され、科学が人類の共通遺産であることや、持続可能社会の実現に新たな役割を担っていることなどが宣言されました。
1999年の「世界科学会議」で長い議論の末に採択された「ブダペスト宣言 (科学と科学的知識の利用に関する世界宣言) 」では、21世紀の科学の責務として、20世紀型の「知識のための科学:science for knowledge」に加えて、「平和のための科学 (science for peace) 」、「開発のための科学 (science for development) 」、「社会における社会のための科学 (science in society, science for society) 」という新たな責務が上げらましたが、今回のWSFで採択された宣言も、それらの理念を継承したものと言えるでしょう。
3日間にわたって開催され、共同宣言の採択という成果を上げた今回のWSFですが、次回は、フォーラムが世界的なものである事を強調するために、これまでの伝統を覆して、2013年にブラジル・リオデジャネイロで開催される予定です。